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日本は「科学のリーダー」育てよ

ノーベル賞科学者・江崎玲於奈氏に聞く「先端技術立国」の姿

2010年1月4日(月)

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 景気の二番底も懸念される中、新年を迎えた。デフレ、マイナス成長、少子高齢化…。日本の厳しい現状を表現する言葉には事欠かない。

 しかし、暗い話ばかりではない。日本には未来を切り開く「技術」という武器がある。資源の乏しい日本がその技術力を磨き上げて戦後の荒廃から立ち上がったように、「100年に1度の危機」によって企業が身をすくませる陰で、力強く芽吹こうとしている技術がある。

 「日経ビジネス」では2010年1月4日号で「日本を救う未来の技術」と題する特集をまとめた。その連動企画として、日経ビジネスオンラインでは、識者の意見、注目技術の動向などを掲載する。

 第1回目となる今回は、1973年にエサキダイオードの発明でノーベル物理学賞受賞をした江崎玲於奈氏(現横浜薬科大学学長)のインタビューをお届けする。

(聞き手は 細田孝宏=日経ビジネス記者)

 ―― 科学技術とは我々人間にとってどういう意味を持つものだとお考えでしょうか。

 江崎 文明を維持、発展させる原動力だと思います。一口に「科学技術」と言いますが、正確には科学と技術は違うものではないでしょうか。考え方として別々にとらえた方がいいように思います。

 科学とはともかく新しい知識を生むことが重視される。何か新しいものを生むものです。それに対して、技術は科学が生んだものを育てるというプロセス。科学を応用したいわゆる工業的な技術なんですね。ですから技術は富を生まないといけない。富を生まない技術は価値がないわけです。一方、科学は直接的には富を生まなくてもいい。

「科学技術立国」は英語にできない

江崎 玲於奈(えさき・れおな)氏
1925年生まれ、84歳。47年東京大学理学部物理学科卒業。同年神戸工業入社、56年東京通信工業(現ソニー)、60年米IBM、日米の企業で研究活動を続けた後、92年筑波大学学長、2000年芝浦工業大学学長、2006年から横浜薬科大学学長。1973年エサキダイオードの発明でノーベル物理学賞受賞
(写真:清水 盟貴、以下同)
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 科学技術を英語で言おうとするとどうなるか。サイエンステクノロジーではない。サイエンス・アンド・テクノロジーとかサイエンス・ベースド・テクノロジーといった訳し方になるのでしょう。もっとも、それも違うという人だっているかもしれない。日本の目指す方向として「科学技術立国」というような言い方をよくしますが、はっきりと英語に翻訳できないわけです。

 サイエンスとは人間の理性、知性の産物です。世界と交流、コミュニケートするうえで、きちんと西洋に翻訳できるような言葉を使うべきだと思います。日本が何をしていきたいのかが分からないと世界で理解してもらえません。

 ―― 日本では民主党政権が実施した行政刷新会議の事業仕分けをきっかけに、日本の科学技術のあり方がクローズアップされました。

 江崎 いろんな論議がありましたが、僕は事業仕分けそのものは決して悪いことではないと思っています。

 科学技術予算にも当然、無駄はある。「科学技術」は錦の御旗ではない。効率を良くしようというのは間違っていません。公開の場で評価するようなことは今までなかったわけですから、それを初めてやった行政刷新会議には意味があったと思います。

コメント10件コメント/レビュー

技術立国だの何だの良いますけど、日本は技術者が経済的に報われない国ですからね。専門職なのに一般工員と同じ給与制度で待遇されますし、30代後半ともなれば簡単にお払い箱にされますし。自殺するか外国の会社に再就職するか、という選択を迫られて、生きていく道を選んだ人が「売国奴」扱いされる国ですから。今のままでは日本が技術立国として長続きすることなど不可能ですよ。(2010/01/10)

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「日本は「科学のリーダー」育てよ」の著者

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

技術立国だの何だの良いますけど、日本は技術者が経済的に報われない国ですからね。専門職なのに一般工員と同じ給与制度で待遇されますし、30代後半ともなれば簡単にお払い箱にされますし。自殺するか外国の会社に再就職するか、という選択を迫られて、生きていく道を選んだ人が「売国奴」扱いされる国ですから。今のままでは日本が技術立国として長続きすることなど不可能ですよ。(2010/01/10)

どのようなプロセスを経て予算が作られるかが重要と言うことに賛成します。記事の主旨からやや離れますが、事業仕分けは始まったばかりで仕分ける側もされる側も下手糞ですがこの制度で透明性が確保できたのは成果です。仕分側の責め質問が非難されてますが今まで情報公開されなかった一般納税者の自然な質問内容です。対し回答側の説明は拙かったです。何の役割をしていない職位(何にも専務職)へ天下りが暴かれたわけです。大型コンピューターやロケット事業にしてもそれだけ税金つぎ込んでどんだけ成果があがったのか?世界一を目差すのは勝手だが誰の金なのか?自分たちで基金を創る努力は?私なぞロケットなら車1台分ぐらい融資しますよ。但し株主よろしく口も見解も出し現場見学もする条件で。成功すれば配当で高級車買いますよ。科学少年の成れの果てですから。そういう人を利用する手あるよ。(2010/01/05)

 日本が経済的に逼迫する時は、いつも同じ発想で、科学技術立国とか子供たちの理科教育、ノーベル賞受賞者の意見を訊くなど、現在の法体系を全く変えずに、解決する事だけを考えます。人類は、文字が発明されてから、20世紀での大部分の病気の克服、社会主義の失敗とか、二回の世界大戦、ノーベル賞のアメリカ集中とかを経験しています。何もノーベル賞を取った人の意見を訊かなくても、十分なデータがあります。 今までの様子を見ていると、官僚的発想で、科学と技術を発展させるにはある分野に予算をつければ、問題は解決すると考えています。 第二次大戦中、対戦後、ヨーロッパから優れた研究者がアメリカへ渡って、科学と技術の分野を急速に発展させました。日本は今の発想を止めて、あの頃のアメリカの真似、アメリカの制度の真似をすれば良いのです。世界中から頭脳が集まる様な環境を創れば良いのです。特許権者の権利を法律の通りに実現させれば、科学や技術の得意な人は、その分野に行くでしょう。政策的には、特許を少し過大に評価することによって、何人かの大富豪をつくればいいのです。子供の意識は確実に変ることになるでしょう。折角、特許を取っても本人に取り分が少ないので、アメリカへ行ってしまう、などと言う事はなくなるでしょう。このような環境を創れば、世界からだけでなく、日本人でも理系の能力のある人は、子供の時からその分野を選び、その分野に職を求めることになるでしょう。勿論、日本の以前の成功の分析も必要でしょう。 東大が世界の大学ではずっと下の方と言う事が分かって、一時東大の教授等はマスコミに出なくなったり、日本中からノーベル賞候補になりそうな人を捜して、教授にしたことがあります。今は又、それをすっかり忘れて以前と同じようにマスコミに登場しています。 日本は、何か小手先で何かを替えるのではなく、根本的に制度を変える、発想を変えることを考えないと駄目だと思います。(2010/01/05)

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