「Last Chance ――航空機産業の活路」

海軍の「キングコング」を侮らない方がいい

白熱する戦闘機商戦、大本命に挑む欧米2社幹部に聞く(下)

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2010年1月7日(木)

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 日本の次期主力戦闘機(FX)商戦において、欧州勢とともに激しい売り込み活動を展開しているのが米ボーイングだ。同社の主力戦闘機「F/A18E/F(通称スーパーホーネット)」で、本命とされる米ロッキード・マーチンの最新鋭機「F35」に対抗できるのか。

 F35は米国防総省にとって史上最大の武器調達プログラムであり、合計で2400機以上を調達する見通しだ。2001年にボーイングはこの商戦で敗北してから、戦闘機ではロッキードに対抗することが難しくなった。残された道は米国以外の海外での販売を拡大するしかない。スーパーホーネット担当として世界各地で営業攻勢を仕掛けるロバート・ガウワー副社長に聞いた。

 日本の主力戦闘機は「F4」や「F15」もボーイングが買収した旧マクドネル・ダグラス社製であり、民間機分野でも同社のキャッチフレーズである「ワーキング・トゥギャザー(一緒に働く)」路線を深めてきた。その強みを発揮できるのか。

(聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員)

 ―― スーパーホーネットは競合企業などから、「一昔前の戦闘機」などと言われています。

主力戦闘機「スーパーホーネット」を日本に売り込む米ボーイングのロバート・ガウワー副社長
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 ガウワー 前モデルの「ホーネット」と名前が似ているので、混同されがちですが、そもそも前モデルから部品のキャリーオーバー(持ち越し)もしていません。全く違う戦闘機です。

 スーパーホーネットで最新鋭の「EA18G」は2009年にデビューしたばかりです。技術的には後で詳しく説明しますが、ロッキードの「F35」が配備された後も、空を一緒に駆け巡るのです。2040年ぐらいまでは現役であり、「21世紀の戦闘機」だと言えます。

 ―― 米ロッキードのF35、そして日本が購入を断念せざるを得ない「F22」は、ともにステルス性能を持つ「第5世代機」に分類されています。日本の防衛省も第5世代機の調達を考えているようですが。

あだ名は「キングコング」

 ガウワー そもそも、「第5世代機」というのはロッキードが作り出した“マーケティング用語”です。それ自体に何か意味があるわけではありません。

 米国では1980年代末から、国防総省が主体となって、次世代の戦闘機の要素技術の開発が始まりました。それは機体のステルス技術であり、高性能レーダーであり、機体制御などの「モジュール型ソフトウエア」などです。

 この政府支援の研究が基盤技術となり、登場したのがロッキードのF22であり、F35であり、我々のスーパーホーネットなのです。そして、実戦配備ではスーパーホーネットが先端的な技術開発の成果をいち早く取り入れてきました。

 スーパーホーネットは米海軍に対して、すでに400機以上を納入しています。F35の開発の遅れによって、共同開発国のメンバーであるオーストラリア政府も24機の調達を決めました。レーダーの技術は世界の最先端ですし、双発の高性能エンジンもあります。

 海軍ではその圧倒的な性能から「キングコング」と呼ばれているほどです。

 ―― スーパーホーネットは価格などでの優位性はあるのでしょうか。

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Last Chance ――航空機産業の活路

日本はこれまで何度も世界の航空機市場に挑みながら、挫折と屈辱を味わってきた。中国など新興国が台頭し、世界競争が一段と激化していく中で、二度と失敗は許されない。「最後のチャンス」に賭ける、日本の航空機産業の戦いを報告する。

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