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ケータイは日本の成長戦略に資するか

2010年のケータイ産業はどうなるのか?《中編》

  • クロサカ タツヤ

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2010年1月14日(木)

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 ケータイに対する社会からの期待が、これまで以上に高まっている。前回も触れた通り、もはや固定電話さえも駆逐する勢いで勢力を拡大する中、信頼できるライフラインとしての期待は大きい。特に、110番(警察への通報)では半数近く、119番(消防への通報)でも25%程度の緊急通報がケータイからの発信であるという事実を踏まえると、既にケータイは「副次的、娯楽的なもの」から「生活に欠かせないもの」になりつつある。

 一方ケータイには、停滞する日本経済の牽引役としての活躍も、求められつつある。これは、日本の中で数少ない成長セクターであること、ケータイエコノミーの大きさゆえに関連分野の波及が大きいこと、また「1人1台」という社会への浸透率の高さが様々な経済活動の基盤になりうることなどへの期待であろう。

 このように書くと、日本の成長や発展を担う重責が、ケータイにのしかかっているようにも見える。果たしてケータイは本当にそうした期待に応えることができるのか。また応えるためには何をしなければいけないのか。今回は、こうした日本全体の成長戦略との整合性について、整理しておきたい。

おぼつかない内需の喚起

 年末も押し迫った2009年12月30日、民主党政権が「新成長戦略(基本方針)」を閣議決定した。「基本方針」と括弧書きされている通り、大見出し程度の項目と今後のスケジュールが触れられている程度で、具体的な内容には乏しい。とはいえ、政権の判断を仰ぐまでもなく、長期低迷にあえぐ日本経済にとって、外需の掘り起こしと内需の喚起の両方が必要なのは、論を待たない。

 ケータイはこの両方に対して期待される産業分野である。もともと通信は国内での利用を前提として成立しており、また国ごとでルールが定められる「規制産業」でもある。一方、近年は無線通信の規格が世界的に集約される方向に進んでおり、グローバル化が進展したことで、輸出産業としての側面も持っている。

 では、ケータイは内需を喚起し、また牽引する立場となりうるのか。結論からすれば、目の前の成績という意味では、あまりおぼつかない状態である。

 まず直接的に経済効果がもたらされる、通信サービスと端末販売だが、前者に関しては契約数が1億を突破して、総人口が1億2800万人の日本市場においては既に飽和状態に入りつつあることはよく知られている通り。またケータイ・PHS4社による激しい競争の結果、ARPU(契約当たり月間平均収入)の低下も進んだため、市場のパイは限られた状態になっている。

 ケータイキャリア各社はこうした状況を見越して、数年前から新規需要の掘り起こしに躍起になってきた。今一番競争が激しいのは法人市場で、「端末バラマキ」のような営業も横行している。また今後は新たな市場としてオートメーションのようなM2M(マシン-マシン:機械間の通信)領域の掘り起こしが進むと予想される。ただ、法人市場に関しては営業コストが、M2M領域に関しては開発コストがそれぞれかさみ、単純には収益を上げられる状態にはない。

 端末販売についても状況は芳しくない。電子情報技術産業協会(JEITA)が発表したケータイ端末の出荷実績を見ると、2009年4~10月の7カ月間で約1766万台。前年同月の約2140万台と比べ、8割程度しか出荷されていないことになる。このままのペースで行けば、 2009年度通年で3000万台を割り込む可能性も出てきている。2007年度の約5172万台に比べれば、激減と言っていい水準である。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長