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驚きであり運命「三菱重工の主翼」

日本の航空機産業を変えたボーイング「787」の真実

  • 佐藤 紀泰

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2010年1月20日(水)

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 ボーイングの次世代機「787」が昨年12月に初飛行を終えた。当初予定より2年以上も遅れての実現である。巨額投資に踏み切っていた日本の航空機産業にとっては収益の足を引っ張ってきただけに、ほっと一安心といったところだろう。

 それでも787プロジェクトに参画することで、日本の航空機産業は未来に向けて生き残りへの足場を築くことができた。787は機体の主要部分に炭素繊維複合材という軽量かつ高強度の素材を本格的に採用した初めての旅客機だからだ。

 787が日本の航空機産業にもたらしたものは何か。その真実とは。このプロジェクトに関わってきた関係者の取材を基に明らかにしてみたい。

 ボーイングは2004年春、787の事業化を正式決定した。

 乗客数200~300人程度の中型旅客機としては超音速機「スーパーソニック」という選択肢もあった。だが、原油価格の高騰もあり、顧客の航空会社からの要望を踏まえ、2004年に燃費性能の優れた中型機「787(愛称ドリームライナー)」の事業化を決定した。

 そのためには機体の大幅な軽量化が必要であり、主翼や胴体などに炭素繊維複合材を採用することにした。

米シアトルで生産されるボーイングの「787」
画像のクリックで拡大表示

 もともと、2008年6月にローンチカスタマー(生産に踏み切らせるだけの発注をした顧客)である全日本空輸に出荷するはずだった。

 現段階では今年末までに米連邦航空局から型式証明を取得し、納入する。結局は5度の納期スケジュールを見直す難産だったが、やっと出口が見えてきた。

787の主翼担当は「三菱重工の運命」

 787プロジェクトが日本の航空機産業にとって大きかったのは全体の35%の生産を請け負ったことだ。1995年に就航したボーイングの大型機「777」では25%だった。

 しかも、787では生産シェアが高まっただけでなく、三菱重工業が主翼を、川崎重工業が前部胴体を担当するなど、重要な役割を担った。担当したのは、炭素繊維複合材部分であり、生産技術のノウハウを蓄積できた。

 世界の航空機業界はもちろん、ボーイング社内でも「驚天動地」とされたのが、最も重要な主翼を三菱重工に任せたことだった。

 これをボーイングが決定した2004年に、三菱重工の航空宇宙事業本部長だった前沢淳一・元副社長(現特別顧問)は「三菱重工が主翼を任されたのは我々にとっても驚きだったが、それは運命でもあった」と振り返る。

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