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東大が始めた“リーダー養成機関”「EMP」とは(前編)

受講料600万円。最先端の「教養」を叩き込む

  • 秋元 志保,瀬川 明秀

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2010年1月21日(木)

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 2004年4月、独立法人となった東京大学は「世界を担う知の拠点」として、これまで以上に大学で生み出される「知」の社会還元の手段や、新たな価値を創出できる共同研究の仕組みなどの整備が必要になった。

 こうした中、小宮山宏前東京大学総長は、東大の「知」を用いて社会の発展に貢献すべき具体的な課題に取組むため、産業界との連携を図る「東京大学産学連携協議会」を立ち上げた。04年には産学連携協議会本部に「アドバイザリーボード」を作り、東大の方針などを話し合う会議を開催。

 また同氏は06年、世界的に活躍している方々と東京大学総長との討議を通じて東京大学のとるべき方向に対してガイダンと支援を支える「プレジデンツ・カウンシル」も設置した。

 東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(以下:東大EMP)は、このような話し合いの場で常に話題に上がる「教育」に対するひとつの成果であると言える。

 今回は東大EMPの設立から開講、そして講師としても東大EMPを支えている3人の中心メンバー(東京大学総長室顧問の山田 興一氏、東大EMP企画・推進責任者の横山 禎徳氏、東大EMPアドバイザーの大上二三雄氏)に、設立の背景について聞いた。

(聞き手:日経ビジネスオンライン 瀬川明秀)

東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP)とは
 40歳代の企業人や行政官の幹部候補生などを対象に、東京大学が持つさまざまな分野における最先端の知識を活用し、深い教養や智慧と実践的で柔軟な実行力を併せ持つ、高い総合能力を備えた人材を育成するプログラム。
 受講期間は6カ月、費用は600万円、定員25人。毎週金曜日と土曜日の終日行われる。プログラムは「教養・智慧」「マネジメント知識」「コミュニケーション技能」で構成されている。ほかのスクールと大きく異なるのが、このプログラムの約70~80%を「教養・智慧」が占めることだ。
 2008年10月に第1期開講。2010年4月には第4期が開講される(第4期の説明会は11月10日)。

山田 興一(やまだ・こういち)氏
東京大学 総長室顧問、前理事
1962年横浜国立大学工学部卒業後、住友化学工業入社。82年東京大学工学博士。住友化学主席研究員、東京大学工学部客員教授、東京大学大学院工学系研究科教授、信州大学繊維学部教授、地球環境産業技術研究機構理事を経て、2005年より2009年3月まで東京大学理事を務める。専門は化学システム工学、地球環境工学。主な著書に、『地球環境のためのエコマテリアル入門』(編著、オーム社)、『地球環境のための地球工学入門』(共著、オーム社)、『太陽光発電工学』(日経BP)など多数。東京都出身。(写真:菅野 勝男、以下同)
横山 禎徳(よこやま・よしのり)氏
東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP)企画・推進責任者
社会システムデザイン研究所ディレクター・社会システムデザイナー 1966年東京大学工学部建築学科卒業。米国ハーバード大学大学院都市デザイン修士、マサチューセッツ工科大学経営大学院修士(MBA)。前川國男建築設計事務所で設計に従事。75年マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。89年から94年まで東京支社長を兼務後、オリックス株式会社社外取締役、三井住友ファイナンシャル・グループ社外取締役、東京大学プレジデンツ・カウンシル・メンバーなどを務める。主な著書に『アメリカと比べない日本』(ファーストプレス)、『「豊なる衰退」と日本の戦略』(ダイヤモンド社)、『マッキンゼー合従連衡戦略』(共著、東洋経済新報社)など多数。広島県出身。
大上 二三雄(おおうえ・ふみお)氏
エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社 代表取締役
東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP)アドバイザー
1981年東京大学工学部卒業、アクセンチュア入社。92年9月統括パートナー就任。2003年10月エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社を創業。コンサルティングや事業開発、人材育成に取り組む。05年東京大学総長室アドバイザー就任。主な著書に、『戦略アウトソージング』、『人材マネジメント革命』、『ハーバード・ポケットブック・シリーズ』(エム・アイ・コンサルティンググループ(株)監修)など多数。福岡県出身。

―― 東大でマネジメントスクールを開講した背景を伺いたいと思います。国内外の大学ではすでにいくつもスクールがあります。なにゆえいま?

山田 東大には世界の先頭に立って物事を進めようという意志があり、そのための人材をいかに育てるかという「教育」の話題が常に上がっていました。小宮山宏前東大総長が立ち上げた産学連携本部アドバイザリーボード会議やプレジデンツ・カウンシルでも、「教育とはいかにあるべきか」「本当に社会をリードできる人材をどう育てるか」というテーマがよく議論されました。

 その中で、研究はたしかに大切だが、教養も大切だろうと。ならば最先端の研究と教養を組み合わせものができれば良いのではないだろうか、と思ったのです。

「東大のファン」をつくろう

大上 その時点まで、職業人の人材育成や生涯学習という点で東大は、世界のトップクラスと比較すると、かなり遅れていたと言えるのではないかと思います。しかし、こうした研究と教養が身についた世界に通用する本当のリーダーを作る場を設けることで、逆に世界から一歩前に出ることができると考えました。ピンチをチャンスに変える良いタイミングだったのかもしれません。

横山 ピンチというのは、2004年に東大は独立行政法人となったので、学術面・財政面でも独立しないといけなくなったわけです。できるなら国内だけでなく海外からも支援を集めていきたいと思いました。東大のファンをつくり、ゆくゆくは寄付を集めることにつなげたいと考えたていたからです。

 そこでまず、世界の知識人・教養人を30人ぐらい集めて、東大の取るべき方向を探る「プレジデンツ・カウンシル」を作ろうと。

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