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競争原理か経済合理性か、選択迫られるユーザー

2010年のケータイ産業はどうなるのか?《後編》

  • クロサカ タツヤ

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2010年1月21日(木)

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 年明けから連続して、2010年にケータイ産業で何が起き、どう変わっていくのかを考えてきた。前編は期待の大きさと裏腹に混迷を増す業界の姿を、また中編は日本経済の成長戦略の基盤としてケータイが果たせる役割の可能性と課題を、それぞれ指摘してきた。

 今回はその締めくくりとして、この2010年がケータイ産業にとってどんな意味のある年となるのかを、改めてまとめておきたい。

日本の通信キャリアは多すぎるのか?

 まず端的な結論としては、今年および来年はケータイ産業にとって激動の時期となる。そしてこれは単に業界のシャッフルが進むというだけでなく、おそらく今後10年のケータイ産業(あるいは社会全体)の方向性と雌雄を決める、そんな大きなインパクトを秘めた1年となるだろう。

 マクロ的要因としては、日本の人口および世帯数の減少トレンド。既に人口は減少を始め、また少子高齢化が進んでいるのはよく知られている通り。これを踏まえると、社会におけるカネの回り方も、今後は人口構成の観点で優位にある高齢者への再分配を厚くせざるを得ないのは確実である。

 日本航空(JAL)の年金問題は記憶に新しいが、カネの奪い合いを巡る世代間対立と、得られたカネの抱え込みも起きるであろう。そうした中で労働人口の平均年齢上昇により生産も停滞するとなれば、今後日本の国富は、楽観的に考えても緩やかに減少するのは間違いないし、さらに悲観的には、高齢者の病人天国となり、より大きく目減りしていくだろう。そしてこれは人間のライフサイクルに係る長期的な問題であるため、仮にこの数年で抜本的な対策が講じられたとしても、残念ながらおそらく今後20~30年くらいは下方硬直に入る。

 これはケータイ産業(に限らずほぼすべての消費財・サービス産業)にとっての大きなインパクトとなる。というのはこれまで日本は、経済のボラティリティ(変動)はあったにせよ、経済活動の礎となる社会そのものは、一応拡大を続けてきたからだ。

 しかし今後はその前提が変わっていく。となると個別のビジネスはもちろん、市場や競争のあり方そのものさえも、大きく変えざるを得ない。

 特にケータイ産業は、インフラの更新期を迎えている。簡単に更新と言うが、クルマのモデルチェンジのような気軽な話ではなく、少なくとも向こう10年、長ければ20年はそのインフラで収益を上げなければならない。そのインフラを、今年から向こう2~3年の間に敷設する必要に、各社とも迫られているのだ。

 一方、ミクロ的要因としては、ケータイ産業の成熟化。契約数も1億を超え、人口ベースで考えてもそろそろ飽和状態にあるし、価格競争の激化がARPU(契約当たり月間平均収入)の低迷を招き、もはやそれほどおいしいビジネスであるとは言えない。アプリケーションやサービスなどの市場はまだ拡大の余地があるが、これとてそれほど消費されるものではない。

 そもそも、景気低迷どころか経済・財政構造そのものが長期的に痛んでゆく今後の日本において、「あればいいけど、なくてもいいもの」で収益を上げるには、相当の努力が必要だ。

 そうした観点で考えると、現在のケータイ・PHSの5社は、人口減少社会となるこれからの日本において、率直に言ってそもそも数が多すぎるということになる。もちろんそれぞれ特色のあるサービスと社会的意義があることは理解しているが、結果として過当な価格競争が生じるのであれば、市場のパイそのものが大きくならない以上、産業構造や事業を毀損することになる。

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