鳩山内閣の施策にはなかなかいいものもあるし、よく勉強して行動している閣僚がいて、そんなに悪くないかもしれない。しかし、需要者サイドに向けたバラマキ的な施策が多すぎるというのは大勢の意見だ。市民にしても企業にしても、インセンティブをもらったり優遇されただけで、元気が出たり、人生が富かになったり、企業が大きく成長するわけではない。
大きなビジョンが示され、協力し合ってそのビジョンを実現できれば、インセンティブの10倍も素晴らしいことが、一人ひとりに与えられることを信じることから始めたい。そして辛抱強く努力したり、新しいことに挑戦したりして、その結果としての成果を国民全体で分け合いたいと思うようになりたい。高度成長時代には、このような気持ちを国民全員が共有していたと思う。
今の日本に一番欠けているのは、将来ビジョンだと思う。年が明けて、久しぶりにテニススクールに行った帰り、車のテレビから聞こえてきたのは、五木寛之さんへのインタビューだった。はっきり言って、残念な思いがした。彼はこんなことを言っていた。
「国の歴史は山登りみたいなものです。日本は山に登って、今は下山中ですから、いい下山の仕方をして国の仕上げをしなければいけません。下山中に転ばないように」
日本が登らなければならない新しい山
国も企業も人も、永遠に山に登り続けなければならないと私は思っている。時々下山しなければならない局面に遭遇することもあるだろう。しかし、いつも新しい山を探し求めて発見し、改めて登り続けて、いつまでも進歩への努力を怠らないようにしなければならないのではないか。
進歩のベクトルは、時代とともに変わるものだ。21世紀になってそのベクトルをどの方向に向けるかの暗中模索が続けられているのが現代の一番中心的な姿なのかもしれない。
新たに登らなければならないのはどの山なのか。新しいビジョンは何なのか。
社会福祉や医療や教育のインフラも大切だが、製造業には大きな変革を伴う成長が求められているし、サービス業にはブレークスルーが必要だ。環境と資源エネルギーに関しては、一番大きな、一番賢い世界規模の経営が求められている。
たくさんの新しい山へ登らなければならない。どのように登山を成功させるかが大切である。そのために戦略を立てることが急がれている。その意味では、民主党政権が国家戦略室を設けたのはいいことだ。さらにスタッフを増強するそうだし、是非成果をあげてほしい。
少し大胆だが、私なりに五つの国家戦略を挙げてみようと思う。
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