「原発漂流」

核燃料サイクルは国内で完結させよ

プルサーマルは必要不可欠か、九州電力社長と佐賀県知事に聞く

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2010年2月3日(水)

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 2009年12月、九州電力が佐賀県にある玄海原子力発電所3号機で日本初のプルサーマルの営業運転を始めた。使用済み燃料を再処理し、プルトニウムを取り出して作るMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料で発電するプルサーマルは、国内軽水炉の核燃料サイクル政策の根幹を担う。

 ただ、軽水炉サイクルの重要な施設である青森県六ヶ所村の再処理施設稼動やMOX燃料工場の建設は大幅に遅れている。プルサーマルは安全性や経済性に問題はないのか。住民の理解をどう得ているのか。九州電力の眞部利應社長と、佐賀県の古川康知事にそれぞれ聞いた。


(いずれも聞き手は鷺森弘=日経ビジネス記者)

安全性は国内外で検証済み
――眞部利應・九州電力社長

 ―― 国内初のプルサーマル稼働で、九州電力の対応がモデルケースになります。今後、プルサーマルは全国で展開される予定ですが、九州電力として留意した点は何ですか。

眞部利應・九州電力社長(撮影:高口裕次郎、以下同)
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 眞部 留意したことは2つあります。1つ目は安全・安心の対策。2つ目はプルサーマルの必要性・意義をできるだけ広く理解してもらうことです。

 1点目の問題に関して、九州電力は原発6基を問題なく、定められた手順で運転、点検、工事をしており、確実に実績を積んできました。さらにMOX燃料の品質や安全性の確保もきちんとしています。

 プルサーマルは初の経験でしたが、MOX燃料は三菱重工業、三菱原子燃料を通じてフランスのアレバから調達しており、国内外のそれぞれの企業がチームワークを発揮し、かつ独立した品質管理を実施しています。

 また、国で定めた厳格な検査も通過しています。こうしたことを、きちんと広報活動して、理解を得ていく努力は今後も続けていかなければなりません。

 ―― 使用したMOX燃料は原発施設のプールに保管されています。一方、青森県六ヶ所村の再処理施設の稼動は17回も延期になり、MOX燃料の製造施設の着工も遅れており、日本の核燃料サイクルが完成していません。日本政府に対して何か要望はありますか。

 眞部 国に何か要望する前に、我々は主体性を持ってやっていかなければなりません。一義的には電力会社が上流から下流まで責任を持つ必要があるのです。

再処理施設完成までの進捗率は95%を超えている

 眞部 しかし、我々だけではどうしようもないことがあります。まず、プルサーマルの安全性や必要性に関する説明は国に積極的に出てきてもらいたい。それから、使用済み燃料の最終処分場の問題も避けて通ることができない。

 電力会社も応分の関与をしなければなりませんが、これは国とNUMO(原子力発電環境整備機構)が主体となっています。私たちも立地問題に協力する必要がありますが、その前に理解促進活動を進めていかなければなりません。

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原発漂流

地球温暖化と、エネルギー需給の逼迫懸念に対する解決策として、原子力発電所に対する期待感が高まっている。「原子力ルネサンス」という言葉に代表されるように、世界各国の政府や関係企業は相次ぎ、原発の新増設計画を打ち出している。しかし、政策や技術動向、エネルギー需給の不確実性は高まりつつあり、今後、原発メーカーや電力会社は事業戦略の巧拙を厳しく問われることになる。荒波にどう挑むのか−−。企業首脳のインタビューを絡めながら、原発事業の最前線を追う。

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