• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

トヨタ、「人づくり」からの出直しへ

大量リコールから見えてきたもの

  • 池原 照雄

バックナンバー

2010年2月24日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 トヨタ自動車のリコール問題は、今週の2月24日(米国時間)に米下院「監視・政府改革委員会」の公聴会に豊田章男社長が出席、信頼回復への大きなヤマ場を迎える。一方で豊田社長が17日に東京で行った記者会見からは、同社再生へのキーワードが浮かび上がってきた。「人づくり」の再強化である。

 「売れるものしか作らないのがトヨタ生産方式の基本だったのに、トヨタはそれを自ら破ってしまった」。17日の会見で豊田社長は、一連の問題を生んだ背景を分析しながら、率直に反省した。2001年に約600万台だったトヨタの世界生産(連結ベース)は、2007年には世界トップの約950万台となった。

 この間の6年は、毎年60万台近い成長と、自動車産業史上でも例のない拡大を続けた。豊田社長は「急成長自体、お客様の要望に沿ったもので悪いものではないと今まで言ってきたが、世界的な販売金融の拡充をテコに実需以上に売り上げを伸ばしてきた面があった」とも指摘した。

 そのうえで、量の拡大スピードに追いつけず「本来時間がかかる人材育成に十分な時間が割けなかった。結果、お客様の不満を集めて分析・改善する力がやや劣ってきた」とし、一連のリコールの原因になったとの認識を示した。また、製造業としての優先順位は「安全、品質、量、コストの順と考えており、これらすべてのベースは人材育成」と、「人づくり」の重要性を重ねて強調した。

 昨年退任したある役員から2年前ほど前に言われたことがある。「高収益、世界一と皆さん賞賛してくれるけど、至るところで人が育っていないのが怖い。政治やメディアを巻き込んで、いざ逆風が吹き始めると企業というのは弱いものですよ」。品質問題でコトが起きるとは予測しなかったものの、このOB氏の不安が現実のものとなった格好だ。

「人」をつくることを優先するのは当たり前、だった

 急成長期に入っていった今世紀初頭、トヨタは改めて人材育成の強化策を打ち出していた。2001年には世界の従業員が共有する「行動規範」として「トヨタウェイ2001」を制定して浸透に努めた。トヨタウェイでは「カイゼン」「現地現物」などとともに「人材育成の重視」を柱に据えている。

 当時、社長としてトヨタウェイを制定した張富士夫会長はこう話していた。「戦後、トヨタは資金も技術もなく、設備も十分でなかったので、先輩たちは知恵を使うしかなく、トヨタ生産方式ができ上がっていった。同時にモノづくりは人が行うものだから、人づくりにも懸命に取り組んだ」。

 張社長は翌2002年には幹部候補生をグローバルに育成する教育機関として「トヨタインスティテュート」を社内に開校している。当時、人事部門にいた社員からこんなエピソードを聞いたこともある。インスティテュートへの入校予定技術者があまりにも繁忙なので、本人の要請で入校を翌年に延期した。すると、その技術者の上司である役員が人事部門に怒鳴り込んだというのだ。

コメント11

「池原照雄の「最強業界探訪--自動車プラスα」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員