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トヨタ、「人づくり」からの出直しへ

大量リコールから見えてきたもの

  • 池原 照雄

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2010年2月24日(水)

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 トヨタ自動車のリコール問題は、今週の2月24日(米国時間)に米下院「監視・政府改革委員会」の公聴会に豊田章男社長が出席、信頼回復への大きなヤマ場を迎える。一方で豊田社長が17日に東京で行った記者会見からは、同社再生へのキーワードが浮かび上がってきた。「人づくり」の再強化である。

 「売れるものしか作らないのがトヨタ生産方式の基本だったのに、トヨタはそれを自ら破ってしまった」。17日の会見で豊田社長は、一連の問題を生んだ背景を分析しながら、率直に反省した。2001年に約600万台だったトヨタの世界生産(連結ベース)は、2007年には世界トップの約950万台となった。

 この間の6年は、毎年60万台近い成長と、自動車産業史上でも例のない拡大を続けた。豊田社長は「急成長自体、お客様の要望に沿ったもので悪いものではないと今まで言ってきたが、世界的な販売金融の拡充をテコに実需以上に売り上げを伸ばしてきた面があった」とも指摘した。

 そのうえで、量の拡大スピードに追いつけず「本来時間がかかる人材育成に十分な時間が割けなかった。結果、お客様の不満を集めて分析・改善する力がやや劣ってきた」とし、一連のリコールの原因になったとの認識を示した。また、製造業としての優先順位は「安全、品質、量、コストの順と考えており、これらすべてのベースは人材育成」と、「人づくり」の重要性を重ねて強調した。

 昨年退任したある役員から2年前ほど前に言われたことがある。「高収益、世界一と皆さん賞賛してくれるけど、至るところで人が育っていないのが怖い。政治やメディアを巻き込んで、いざ逆風が吹き始めると企業というのは弱いものですよ」。品質問題でコトが起きるとは予測しなかったものの、このOB氏の不安が現実のものとなった格好だ。

「人」をつくることを優先するのは当たり前、だった

 急成長期に入っていった今世紀初頭、トヨタは改めて人材育成の強化策を打ち出していた。2001年には世界の従業員が共有する「行動規範」として「トヨタウェイ2001」を制定して浸透に努めた。トヨタウェイでは「カイゼン」「現地現物」などとともに「人材育成の重視」を柱に据えている。

 当時、社長としてトヨタウェイを制定した張富士夫会長はこう話していた。「戦後、トヨタは資金も技術もなく、設備も十分でなかったので、先輩たちは知恵を使うしかなく、トヨタ生産方式ができ上がっていった。同時にモノづくりは人が行うものだから、人づくりにも懸命に取り組んだ」。

 張社長は翌2002年には幹部候補生をグローバルに育成する教育機関として「トヨタインスティテュート」を社内に開校している。当時、人事部門にいた社員からこんなエピソードを聞いたこともある。インスティテュートへの入校予定技術者があまりにも繁忙なので、本人の要請で入校を翌年に延期した。すると、その技術者の上司である役員が人事部門に怒鳴り込んだというのだ。

コメント11件コメント/レビュー

日本全体でバッシングするのは何が目的?海外から見ていると異様だ。トヨタにある問題は確かに改善の必要もあるし首脳陣の責任追及も必須だろう。しかし、対外的には「それみたことか!」とこき下ろす姿はどのように映るのか。フェアで望ましい姿には見えないのでは。日本にとってもトヨタにとってももっと冷静な議論が望ましいのでは。(2010/02/24)

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いただいたコメント

日本全体でバッシングするのは何が目的?海外から見ていると異様だ。トヨタにある問題は確かに改善の必要もあるし首脳陣の責任追及も必須だろう。しかし、対外的には「それみたことか!」とこき下ろす姿はどのように映るのか。フェアで望ましい姿には見えないのでは。日本にとってもトヨタにとってももっと冷静な議論が望ましいのでは。(2010/02/24)

リコール騒動が起きる前に書かれていたらもっとよい記事だったでしょうに。いまや皆がこういう姿勢で書くから時流に乗っているだけという気もするし(よほど分析が深くないと)。 ところで他の方も書いておられるように、今回のリコール騒動は、トヨタ側にも問題あるが、米国としても、米国製電気自動車の売り上げが言われていたほど延びていないので、一気にブランド力を破壊する為に政界・マスコミ・自動車産業が一致団結して行っているようにも見えます(現政権にとっては、支持率回復の為のスケープゴートにもなるので、一石何鳥も旨みあり)。(2010/02/24)

組込み技術者の端くれです。今回のプリウスのブレーキには、驚きました。ユーザーに黙ってバージョンアップしていたとは。ソフトウェア開発の感覚では、できない事です。組込みソフトを変更するのなら、これは明らかにバグです。膨大な組込みソフト(銀行のオンラインシステムより多いと聞きます)の塊である今のクルマにバグゼロはできないと思いますが、最低限、人の命を運んでいる認識を新たにしてバグゼロを目指してほしいものです。組込み開発を知らない一部の人々が誹謗中傷しますが、これを機に世界一の組込み大国である日本の実情を認識してほしいと思います。(2010/02/24)

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