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トヨタの何が問題になっているのか?

リコール問題に関係する3つのポイント

  • 牧野 茂雄

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2010年3月1日(月)

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 筆者がトヨタに対して思うこと。それは、過去にこのコラムですでに書いたが、トヨタのクルマを買ってくれた「ひとりのユーザー」を幸せにしてもらいたい――これに尽きる(関連記事「豊田章男新社長がやるべきこと」。今回のリコール騒動は、その「ひとりのユーザー」がトヨタに「裏切られた」と思ったところから始まった。そして、ひとりが10人になり、1000人になり、やがて米国じゅうを敵に回すことになった。火は瞬く間に勢いを増し、プリウスも巻き込まれた。

2月24日、米議会公聴会でのトヨタ自動車・豊田章男社長

 今回のトヨタ車リコール問題について、3つばかり言いたいことがある。まず、「マンパワーの絶対的な不足と配置の不均衡」である。

 奥田碵社長が着手したグローバル化により、トヨタの海外生産は拡大へと向かった。奥田氏を継いだ張富士夫社長、渡辺捷昭社長は、「グローバル活動企業」としてのトヨタを完成させ、海外生産台数とモデル数は急増した。

 しかし、筆者の印象で言えば、トヨタが言うような「開発は日欧米アジアの4極体制」ではない。技術部門は日本に偏在している。TEMA(トヨタモーターエンジニアリング&マニュファクチャリングノースアメリカ)の設立は2006年。まだ体制は整っていない。米議会の公聴会でTMS(北米トヨタ自動車販売)のレンツ社長が「リコールの権限は日本にある」と繰り返すのも無理はない。

 米国にはトヨタ車の生産工場はあるが、開発の指揮権も商品企画の決定権も現地にはない。つまりTMA(トヨタモーターアメリカ=北米トヨタ)は、北米での生産を取り仕切る会社ということだ。北米での利益に大きく依存しながら、それに見合った体制の構築は後手にまわった。米NHTSA(運輸省高速交通安全局)に「ユーザーから不具合の情報が寄せられているから調査してほしい」と言われても、TMAやTEMAは本社の指示でしか動けない。

海外展開が早過ぎて、「人」の現地化が遅れた

 日本でも開発のマンパワーは不足している。かつては日本国内だけで販売されていた「カローラ」は、いまや世界100カ国以上で販売され、10カ国以上で生産されている。それぞれの市場の特性や法規の違いに合わせるためのアプリケーション作業は、実際のモデル開発以上に工数がかかる。生産・販売地域ごとに設計・仕様の変更を計画し、それを実施するためのマンパワーが足りない。開発現場からは「クルマの開発に手が回らないほどアプリケーションが忙しい」と聞く。だから、「以下同文」という手段も使われる。エンジニア諸氏なら、この言葉の意味をよくご存知と思う。

 トヨタ社内だけでなく、トヨタグループの部品メーカーも同様である。たとえば、日本で立ち上げた「カローラ」の生産を海外展開するにあたっては、デンソー、アイシン、トヨタ紡織、ジェイテクトなどのトヨタグループ部品メーカーが部品一つひとつの設計・仕様変更を行い、試作品をつくり、全世界のトヨタの車両工場向けに部品調達体制を整え、パイロット生産を指揮し、量産立ち上げ直前まで続くトヨタからの設計変更指令に対応する。トヨタグループ内で対応できない部品、あるいはすでに現地資本の部品メーカーを巻き込んだ調達体制になっている部品と言えども、細かな仕様変更にはトヨタグループの担当会社が支援を行うケースが多い。

 筆者はかつて、豊田章一郎社長から「現地化は人も含めて行うべきだ」と聞いた。

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