「ツイッターでは公式アカウントでも個性を見せるべき」「個人的な話もつぶやくべき」――。『ビジネス・ツイッター』の著者であるシェル・イスラエル氏はこう勧める。これも、多くの企業が理解しにくい手法ではないだろうか。企業が公式アカウントでつぶやく場合、企業のイメージを壊さないようにできるだけ個性を抑えて、礼儀正しくしようと考えるのが普通である。
しかし、無難におとなしくつぶやいていても、ツイッターの本来の力を生かせない。ほとんどの企業が無難に礼儀正しくつぶやいているから、つまらなくなるのだ。ツイッターはつぶやく本人のキャラクターが出た方が面白い。例えばテーブルマークのダジャレ満載のつぶやきは、数多くのファンを得ている。シェル・イスラエル氏が勧める個性の出し方を紹介していこう。
シェル・イスラエル氏が「ツイッターで個性を出そう」と言うのは、ツイッターがネットの外のコミュニケーションと非常に近いからである。誰でも多かれ少なかれ、知らない人との会話は緊張したり気を使ったりする。昔からの知り合いとの会話なら気軽に話しかけられるかもしれないが、人柄や性格などがさっぱりわからない相手に声をかけるのは、抵抗があるものだ。
相手が企業だったら、なおさらである。相手の反応を想像できないので、会話がどうしても礼儀正しくなり、面白味がなくなってしまう。逆に、相手の性格や趣味などをよく知っていれば、その話題で盛り上がったり、会話が弾んだりする。親近感もわいてくる。だから会話メディアであるツイッターでは、個人的な話題を投稿したり、個性を出したりすることが非常に重要になるのだ。
本書で取り上げてきたツイッター界の成功者はビジネス会話に個人の観点を織り交ぜている。(略)子供はいるのか、休みには劇場に出かけるのか、それともコンサートに行くのか。(略)こうした社会的な交流が即時にビジネスに関わってくるわけではない。しかし言ってみれば、触媒的に働いてくるものなのだ。(第16章より)
個性が見えない企業のロゴ・アカウント
では、企業のアカウントで個人の個性をどう出せばよいのだろうか。シェル・イスラエル氏は、企業のツイッター担当者の名前で会話することを勧めている。逆に、企業のロゴを写真に使った企業ブランドを使ったアカウントを“ロゴ・アカウント”と呼び、非常に否定的な立場を取っている。その理由は、ロゴ・アカウントでは「誰がつぶやいているか」が見えにくいからだ。シェル・イスラエルのロゴ・アカウントへの思いは熱く、その是非について、1章分を丸ごと費やしているくらいである。
大半の企業がこうした匿名でつぶやくアプローチを取っている。私としてはどんな場合でも、ただのロゴより生身の人間を相手にする方がいい。コーラの缶などに話しかけても面白くないと思う。(第8章より)
ロゴ・アカウントの例として『ビジネス・ツイッター』に登場する企業は、スターバックス、ハンバーガー・チェーンのカールズ・ジュニア、今注目を集めるIT企業のエバーノートなどである。それぞれの担当者は、個人のアカウントよりもロゴ・アカウントの方が「権威がある」「担当者が個人的な意見を述べて会社のイメージを傷つけにくい」「担当者の交代がスムーズ」といった利点を挙げている。しかし、それでもシェル・イスラエル氏はロゴ・アカウントに懐疑的である。
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