• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

設計者は現場を感じなければならない

海の現場を知る貴重な体験が大きな糧に

  • 宮田 秀明

バックナンバー

2010年3月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 冬季オリンピックの開催地バンクーバーは、私にとって初めて訪れた外国だった。大学院修士課程1年生の秋、2日だけバンクーバーに滞在した。観光に行ったのではない。飛行機で行ったのでもない。船に乗って実験をしながら、太平洋横断航海を体験したのだ。

 ちょうど貨物輸送がコンテナ化され、日本から北米向けの定期コンテナ輸送サービスが開始された頃だった。まず、横浜と神戸からサンフランシスコとロサンゼルスへ向かうPSW(Pacific South West)と呼ばれた航路が週1便のサービスとして開始され、次にシアトルとバンクーバーへ行くPNW(Pacific North West)航路が開始されたところだった。

 今では、コンテナ船は大型化し、最大では長さが400メートル近くまでになり、1万2000個ものコンテナを積むことができるが、40年前は長さが175メートルほどの比較的小型の船で、コンテナはたった750個しか積むことができなかった。スピードは23ノット(時速43キロ)ほどで、これは今でもあまり変わっていない。

 この速度は飛行機の20分の1ぐらいだから、横浜からバンクーバーまで約1週間かかる。帰りは神戸に向かったからプラス1日だ。この2週間余りの航海体験は貴重なものだった。船舶技術者として早い段階で「海」という現場を知ることができたからだ。

2つの実験のデータ取りで北太平洋の大圏航路を体験

 東京湾を抜けて館山の洲崎を過ぎると、船は左に舵を取ってほとんど直角に進路を変えて北へ向かう。東北沖を北上してアリューシャン列島のアッツ、キスカの両島の間を目指し、ベーリング海に入る。そして、ウニマク島の横をすり抜けて再び太平洋に戻ってバンクーバーへ向かう。これが北太平洋の大圏航路となる最短コースだ。

 世界で最も荒れる海が、北太平洋と北大西洋と南氷洋だ。つまり緯度が高い海ほど怖い。私が乗船したのは10月だったからまだベーリング海に入れたが、冬が本格化すると多少航海時間が増えても、もう少し南の、ベーリング海に入らない航路を選ぶ。

 出航後2日目からは、海と空だけの世界になる。海鳥も飛んで来ない。海の中には魚がいるのだろうが、見えないから、海と空だけの世界になってしまう。しかも、顔を合わせられる人は28人の乗組員だけだ。

 往路は順調だった。2つの実験のデータ取りが私の仕事だった。1つは運動の計測だった。当時の新鋭船であるコンテナ船がよく揺れることが問題になっていて、実船での計測を行って原因を探ろうとしたのだ。もう1つはオートパイロットと呼ばれる自動操舵装置の制御パラメーターを変えて、経済的に最適な制御を明らかにする航海計器メーカーのための実験だった。

コメント4件コメント/レビュー

いつも興味深く読ませて頂いております。今回のアナログとコンピューターについては、今話題のトヨタのリコール問題とも絡めて、机上感覚と現場感覚の差を、どれだけ設計に生かせるかと思います。知識はしょせん他人の経験なので、オリジナルとは、自分の経験をプラス出来るかどうかと思います。宮田先生のトヨタの問題のご意見もお聞きしたいと思います。色々な意見が出てますが、設計者の視点があまり見当たらないので。(2010/03/12)

「宮田秀明の「経営の設計学」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

いつも興味深く読ませて頂いております。今回のアナログとコンピューターについては、今話題のトヨタのリコール問題とも絡めて、机上感覚と現場感覚の差を、どれだけ設計に生かせるかと思います。知識はしょせん他人の経験なので、オリジナルとは、自分の経験をプラス出来るかどうかと思います。宮田先生のトヨタの問題のご意見もお聞きしたいと思います。色々な意見が出てますが、設計者の視点があまり見当たらないので。(2010/03/12)

今回は思い出話ばかりが続き、筆者の主帳は>設計者を経営者と置き換えても、同じことが言えるのではないだろうか。これだけです。「経営の設計学」というコラムタイトルに相応しくありません。読んでがっかりしました。再考を。(2010/03/12)

同感です。私も、最近、現場を見る、生データを見ることの大切さをひしひしと感じております。外から見て評論家然と物を言うのは簡単ですが、現場を見ると、軽々しい言葉を口にすることができなくなります。(2010/03/12)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授