「Web2.0(笑)の広告学」

「フリー祭り」に見るメディアのこれから

バックナンバー

2010年3月16日(火)

1/3ページ

印刷ページ

 先週月曜日、駅のキオスクで「週刊ダイヤモンド」を見て、思わず吹き出してしまいました(その後ですぐに買いもとめました)。

 何しろ、ベストセラーを快走する『フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(クリス・アンダーセン著、NHK出版)の装丁そのままの表紙だったからです(この本については 1890円で「無料」の本がガンガン売れてます。)。

画像のクリックで拡大表示

 さらにNHK「クローズアップ現代」をはじめ、多くの雑誌・テレビ番組・新聞記事などで、この本が取り上げられ、さながらメディアは「フリー祭り」といった様子になっています。

 しかし、あらためて言うまでもないことですが、現在、メディア企業の多くは、フリー(無料)の情報が社会に広がることの影響を、むしろマイナスの方向で受けています。

 とりわけ、インターネットという、ネットに接続することが可能なパソコンや携帯電話さえあれば、フリー(無料)で多種多様な情報を入手することができるツールが広く普及した結果、メディア企業の多くが減収となっています。

 巨額な広告収益によって「無料=フリー」ないしは、大きくディスカウントされた値段で、消費者に情報コンテンツを提供してきたマスメディアは今、「新たな時代のフリーの主役=インターネット」の台頭の中、苦境に立たされているのです。

 そんな中で、マスコミ各社が「フリー祭り」に参加している。
 そこに、私は皮肉ではなく、メディアビジネスの明日が見えると感じています。

むずかしいを、カンタンに。

 「無料で、利益をあげる」。言葉の構造としては、すごくシンプルな文章ですが、その意味を理解しようとすると、「なるほど…。でも、それって、どうやったら可能なの?」ということになる。350ページの本を読めばわかるのかもしれないけど、書店でちょっと立ち読みしたくらいでは、どうにも、すんなり理解できない。そんな「解けそうで、解けない方程式」を「カンタンに解説して差し上げましょう」というのが、ここのところの、雑誌やテレビ番組の大きなテーマです。

 しかし、実は解説を聞けば聞くほど、「わかったような、わからないような…」となるのもまた、『フリー』の大きな特徴です。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
内容は…
この記事は…
コメント1 件(コメントを読む)
トラックバック
著者プロフィール

スダシン(須田 伸 すだ・しん)

須田 伸

サイバーエージェント ネットトレンド研究室長/コミュニケーションディレクター。1992年株式会社博報堂入社。CMプランナー/コピーライターとして「ACC賞」「日経広告賞」「消費者のためになった広告コンクール」などの広告賞を受賞。 1998年カンヌ国際広告祭ヤングクリエイティブ・コンペティションに日本代表コピーライターとして出場。2000年にYahoo! Japanに転じてコミュニティサービス担当プロデューサーとして「ヤフー・チャット」を立ちあげ「ライブチャットイベント」では初代「Y! Chat MC」として活躍。2002年より株式会社サイバーエージェントに勤務。同社の企業ブランドを一新する。現在は同社ネットトレンド研究室長。ブログとインターネット広告に関する著書として『時代はブログる!』(アメーバブックス)がある 。「サイバーエージェント/アメーバ」は、2008年度グッドデザイン賞を受賞。



このコラムについて

Web2.0(笑)の広告学

ブログやSNSのように、普通の人がインターネットで気軽に情報を発信するようになったことが「Web2.0」という流行語(バズワード)を生みました。Web2.0の切り口には、技術も、商売も、哲学もありますが、このコラムでは、基本的に「広告」という視点で考えていきます。筆者はテレビ広告業界を経験後、サイバーエージェントに転じ、ネット広告の世界で活躍している須田 伸氏です。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン

日経ビジネスからのご案内