• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本が「環境後進国」から脱するために

2兆~3兆円をこの環境プロジェクトに投資してほしい

  • 宮田 秀明

バックナンバー

2010年3月19日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日経ビジネスの3月1日号は「環境後進国ニッポン」を特集として取り上げた。日本の環境関連、つまりクリーンテック(環境・エネルギー)への投資額は8億7000万ドル程度(約780億円)で、EU、中国、米国の20分の1から50分の1の規模しかない(UNEP調べ、2009年)。この規模の投資なら、国際的な環境ビジネスの競争に勝ったり、CO2を25%削減する目標を達成することは絵空事だというのだ。

 環境関連投資額の算定は難しいところだが、来年度の経済産業省関係の環境関連予算は1300億円程度で、政府予算規模からも環境後進国であることがわかる。しかもその多くが、エコ商品、太陽電池、環境対応車への補助金なので、バラマキ的で、戦略性や社会システム的な発想が乏しいように思う。環境関連の要素技術の効果を増幅するためには、「全体最適を実現するエネルギー社会システム」を設計し、それを支える制度設計を行うことが不可欠だろう。

 ところが、25%ものCO2削減を高らかに宣言しながら、こんな小規模の予算配分しかしなかったり、事業仕分けでスマートグリッド関係予算を先送りしたのは、矛盾も甚だしいというか、政府の経営能力に大きな疑問符がつくということだ。

衰退局面にある日本が注力すべきは「産業育成」

 色々な側面から見て、日本は衰退局面にある。このマズイ流れを止める戦略が必要なのに、いまのところ何も具体的なものがない。国家戦略のテーマのうちで最も産業への波及効果が大きく、国際競争力の回復に最も寄与しそうなのが環境関連プロジェクトである。

 子ども手当てのような少子化対策も長期的な視点から大切にしたいところだが、この20年間の日本の退潮を止めるためには、もっと波及効果が短期に現れるような産業育成の優先度を高めなければならない。生活を直接支援する一方で、産業を育成し、雇用を増やし、所得を増やす政策に注力し、限られた予算を何倍もの効率で生かさなければならない。

 ほとんどの国民がこのことを何となく感じていると思う。それなのに、戦略的な政策立案能力に欠けるだけでなく、民意をくみ取れなくて「いのちを守る」などとピントはずれの演説をする現政権は、まるでほかの政党がよく主張する、効率の低いバラマキ政策の真似をしているようにさえ見える。

 ガソリン税の暫定税率分も子ども手当ても、それぞれ2兆~3兆円の規模はある。この規模の予算をすぐさま環境プロジェクトに投資すべきだろう。毎年10兆円もの予算が道路関連に投資されていることと対比すれば、その規模は十分妥当なものと言える。

 2兆~3兆円を使う具体的な企画を提案してみよう。

 まず最もわかりやすいのが、電気自動車普及のための急速充電機の全国設置である。沖縄ではこの3月に充電インフラ会社がいろいろな業種から約1億円の資本金を集めて設立される。約1年後に始まるレンタカーの電気自動車化プロジェクトをインフラ面から支援し、沖縄を観光だけでなく環境の先進県にする戦略を支えるための民間主導の具体的なビジネスのスタートである。

コメント12

「宮田秀明の「経営の設計学」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員