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「痩せる」「ガンも生活習慣病も治る」誇大広告無法地帯

  • 須田 伸

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2010年3月23日(火)

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 薬品や健康食品の広告で裏付けのない効果効能を過剰にうたうことは、薬事法による規制の対象となります。「誰でもカンタンに3キロ痩せる」といったダイエット効果や「ガンも生活習慣病も治る」といった医学的効能を保証する広告表現は、安易にできないようになっています。

 ところが、書店に行くと「テープを巻くだけで、驚くほど痩せる」だとか「体温を上げるだけで、ガンや生活習慣病が治る」といった、効果効能を堂々とうたった書籍が平積みで並んでいます。ベストセラーリストの上位に登場することも珍しくありません。

 過去に「アガリクスがガンに効く」とうたった書籍が、「アガリクスを売るための広告」であり薬事法に抵触するとして逮捕者も出ました。しかし、「テープを巻く」であるとか「バナナを食べる」や「体温を上げる」といった行為を推奨する書籍は、広告・販売する健康食品が存在しないのでこの法律にひっかからない。ですから、書店に行けばいくらでも見つけることができるのです。

 誰も「これだけやればカンタンに痩せる」であるとか「このひとつの方法で、ガンも生活習慣病も治る」といった、魔法の方法など存在しないことくらい、理性的にはわかっています。でも、「テレビでも話題沸騰」で「ランキング上位」であるとPOPに書いてあると「今回のこの方法はついに究極なのかもしれない」と淡い期待を持ってしまうのが人情というものです。

 私はダイエットの専門家でもなければ医療関係者でもありませんので、実在する本やその具体的な内容について論じることはできません。しかし、広告コミュニケーションという立場からは言いたいことがあります。今週は「ダイエット本&健康本」について、考察してみたいと思います。

そのダイエット、「ビフォー&アフター」の、アフターはどうなってますか?

 このコラムでは、以前にも「バナナの次はなんですか?」というタイトルで、次から次へとメディアが「究極のダイエット方法」を紹介し話題になる現象について書きました。どうやら、バナナの次はテープだったようですが、この流行ダイエット方法のリストが、これで終わるはずがなく、これからも特定の食材であったり、運動方法であったり、意識改革であったり、いろんなものが、このリストに加わっていくことは間違いなさそうです。

 仮に、ひとつのダイエット方法が、その書籍がうたっているとおりの効能を果たすのであれば、ダイエットを必要とする読者層はどんどん減っていくはずです。しかし、実際には以前にもましてダイエットに関する書籍が売れて行く。どうやら「究極のダイエット方法」によって、一時的な減量に成功したとしても、「ビフォー&アフター」のさらに数カ月、半年後といった、本当の「アフター」には、元の木阿弥になってしまっているケースが大半のようなのです。

 事実、私の周りでも、「今、○○○ダイエットにはまっている」と教えてくれるのは、たいてい過去に「△△ダイエット」や「◇◇ダイエット」がいかに素晴らしく、テレビでは、あの有名人がどれだけ痩せたかレポートしていた、と熱心に教えてくれたことがある人たちばかりです。

 ずっとピアノで1曲も満足に弾けない人が「趣味はピアノ」と言うのは、周りに騒音などの迷惑をかけているのでなければ、楽しい趣味でしょうし、害もないと思います。しかし、ダイエットの場合、「趣味はダイエット」とばかりに、繰り返し流行のダイエットに飛びつくことは、偏った栄養摂取やリバウンドがもたらす肉体への負荷を考慮すると、「趣味はピアノ」と同じ、とはいかないように思います。

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