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時間軸重視の経営に挑戦せよ

現場ベースの水中翼船開発で得たもの

  • 宮田 秀明

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2010年3月26日(金)

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 3月の初めに御茶ノ水で「高速船同窓会」が開かれた。東京大学と当時の日立造船と瀬戸内クラフトが産学連携して世界で3番目の水中翼船を開発したのだが、そのメンバーが20年ぶりに再会したのだ。

 この商品開発プロジェクトは色々な面で特殊だった。商品開発を実行するには研究・開発・実証・普及の4段階があるのだが、産学連携して行った場合、大学チームの役割はせいぜい開発の段階までであるのが普通である。しかし、私たちは第3段階の実証にまで深くかかわったというか、主導した。しかも、そのスタッフたちは大学4年生や修士課程の学生だった。

 1990年7月26日の尾道での長さ12メートルの実験船「エクセラー」による初めての実験の時、船上にいたのは瀬戸内クラフトの社長と技術部長、2人の東大4年生、それに東大の技術官と私だった。

世界で3例目の水中翼船を7年で開発

 大学の教員が学生をスタッフとして商品開発することは珍しいかもしれない。尾道で実船実験を行う1週間から2週間の期間、私たちは尾道に滞在した。宿泊はいつも尾道の向かいの向島にある「大元荘」という民宿。「クーラーはないかも」と覚悟を決めていたのに、ちゃんとクーラーはあるし、1泊2食4200円なのに、毎日の食事は味も量も最高だった。20年経った同窓会でも、元学生の40歳代の会社員が、あの食事はウマかったと話した。

 週に2、3回は、夕食後実験データを整理してから、夜9時前に向島から尾道へ向う最終便の渡船に飛び乗って、久保町の行きつけのスナックに向かう。たくさんはしゃいでたくさん歌い、帰るのは午前2時になる。もう渡船はないからタクシーで民宿に戻って寝て、翌朝6時には起きなければならない。

 「エクセラー」は朝8時に出港して中部瀬戸内海へ進出し、夕方5時までにたくさんの実験を行うのが日課だった。運動性能の実験が多かったから、1日8時間の間、実験船は揺れていることが多かった。夕方5時に下船しても地面が揺れている感覚が抜けなかった。

 まるで軍隊生活だった。それなのに学生たちは明るく頑張ってくれた。

 時間が経つのは本当に速い。この時の学生はもう40歳を超えて、様々な社会で活躍している。実験船「エクセラー」に乗って現場ベースの技術開発に携わったことがいい経験になっているのではないだろうか。

 それにしても、今になってもつくづく思うのは、研究を始めてから商品として納めるまでの時間の短さだ。1986年度の卒業論文のテーマに取り上げたのが始まりだが、7年後の1993年9月には第1船が就航していた。

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