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最強のロボは「癒やし系」

玩具の域を超えた、バンダイのロングセラー商品「プリモプエル」

2010年3月30日(火)

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 このコラムでは、商品とユーザーの間に生ずる「愛」の形について何度か触れてまいりました(記事一覧)。日本語表現では対象物によって愛の表現形が変わります。人に対しては「愛情」、ペットなら「愛玩」、モノの場合には「愛着」とか「愛用」となります。

 対象物に感情移入させる最も手っ取り早いやり方は、デザインを生き物に似せるという手法でしょう。それは外観だけでなく、仕草や音声の反応パターンなども含む広い意味でのデザインです。それらをすべて備えたモノがホンダ「ASIMO」のような等身大の歩行ロボですが、このロボ界で近年注目を集めるのが「癒やし系」です。

産業技術総合研究所の開発したアザラシ型ロボット「パロ」。購入可能で、本体価格35万円
(写真提供:産業技術総合研究所)
コミュニケーションができるぬいぐるみ、バンダイの「プリモプエル」

 産業技術総合研究所(かつて経済産業省所管)が開発したアザラシ型のセラピー用ロボット「パロ」は、世界でも類を見ない「癒やしを目的として生まれたロボット」です(詳細は「パロのページ」。購入受付はこちら)。2002年に「最もセラピー効果があるロボット」としてギネスブックに認定されて以来、内閣総理大臣奨励賞(2003年)、文部科学大臣賞(2005年)と賞暦を重ね、2008年にはデンマークの高齢者向け施設に本格導入されることが決定、2011年までに1000体が導入予定というまでに至っています。

 「芸術と科学の融合」がうたい文句のこのパロ君。(写真の通り)外観的にはぬいぐるみのようです。駆動系も多種持ち合わせていますが、もっぱら愛嬌のある仕草を表現するために使われており、自立歩行や生活動作介助などをする気は毛頭ありません。

 先端研究の粋を集めたロボの形が毛むくじゃらのぬいぐるみ状……。我々が小さい頃には必ず慣れ親しんだこの「ぬいぐるみ」という形には、何か大事なヒントが隠されているようです。

 パロが注目され始めた同じ頃、1999年にバンダイから発売された人形型癒やしロボ(ぬいぐるみ)が、今回取り上げる「プリモプエル」です。昨年11月に満10歳を迎えました。これまで累計110万体を売り上げ、このカテゴリーでは無敵無類の強さを確立したロングセラー商品となっています。今回は、同社のプレイトイ事業部でマーケティングチームのリーダーを務める亀田真司氏にお話を伺いました。

「子育てを終えた女性」や「シングル女性」に人気

 プリモプエルが生まれた当時の背景を簡単に紹介します。その頃のぬいぐるみ界に現れた超新星がアメリカ生まれの「ファービー(米国Tiger Electronics社)」でした。センサー付きのおしゃべりロボの草分けがこのモデルで、日本でもミリオンセラーとなる大ヒット商品となりました。これを機にセガの犬型ロボット「プーチ」やソニーの「AIBO」など、単なるオウム返しではなく、少し気の効いた応答をする玩具市場が開花していきます。

コメント7件コメント/レビュー

ぬいぐるみには「気に入った子を選ぶ」というコンセプトがあるのにはハッとさせられました。確かにハンドメイド商品の魅力の一端はそこにある気がします。揺らぐ量産という考え方も、一段上を行く生産技術として面白い見方だと思います。(2010/04/04)

「川口盛之助の「ニッポン的ものづくりの起源」」のバックナンバー

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「最強のロボは「癒やし系」」の著者

川口 盛之助

川口 盛之助(かわぐち・もりのすけ)

盛之助 代表取締役社長

戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにてアソシエート・ディレクターを務めたのちに株式会社盛之助を設立。研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ぬいぐるみには「気に入った子を選ぶ」というコンセプトがあるのにはハッとさせられました。確かにハンドメイド商品の魅力の一端はそこにある気がします。揺らぐ量産という考え方も、一段上を行く生産技術として面白い見方だと思います。(2010/04/04)

喜怒哀楽などを表現したり、癒し効果を上げるのに、情報量を増やす事で勝負しないといのは。ワビサビを知る日本的で奥深いものを感じました。又、ばらつきが”気に入った子”という個人にとっての差別化に繋がるのでしょう。製品にもよりますが、高機能を追求するだけでなく、この様な観点で製品を開発するのは、新たなビジネスになる気がしました。(2010/04/01)

日本は国際的にみると「超少子高齢社会」。「癒し系」ロボの「愛用」は今の日本社会のあり様を象徴しているようだ。2008年のWorld Health統計をみると、日本で65歳以上の人が全人口に占める比率は約27%できわめて高い数字を示している。米国とEUは65歳以上の人は全人口のそれぞれ20%以下。中国は11%程度(グラフをみながらタイプを打っているのでアバウト数な数字)。 日本は「少子社会」。結婚しない人が多い。おとなりの中国で、最近、家族計画に関する実態調査が行われた。回答者の80%近くが「できれば子供は二人欲しい!」と答えている。「一人っ子政策」時代を過ごした若い夫婦のいつわざる心境だろう。これから、韓国、そして中国も「少子高齢社会」を迎える。東アジアでの「癒し系」ロボに対する反応に注目したい。 (2010/03/31)

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