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43年前に指摘された「コンピュータ病」

いまだ完治せず、重要な情報はITでは得られない

2010年4月1日(木)

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情報を道具として使うようになるや、それが何であり、何のためであり、どのような形であり、いつ得るべきであり、誰から得るべきであるかが問題となる。そしてそれらの問題を検討するや、必要な情報つまり重要な情報は、現在の情報システムでは得られないことを知るにいたる。

 ~ ピーター・F・ドラッカー(上田 惇生訳)

 ピーター・ドラッカーが1998年に書いた「コンピュータ・リテラシーから情報リテラシーへ」という一文からの引用である。この文章は2002年に出版された『ネクスト・ソサエティ』(上田惇生訳、ダイヤモンド社刊)に収録されている。

必要な情報、すべて手に入りますか?

 企業や団体が相当な投資をした「現在の情報システム」から「重要な情報」が本当に得られないなら由々しき事態である。

 本稿を読んでいる方々が取り組む仕事は様々だろうが、時には自分の仕事で成果を上げるための情報は「何であり、何のためであり、どのような形であり、いつ得るべきであり、誰から得るべきであるか」、考えてみてはいかがだろうか。

 その上で、普段使っているパソコンから、あるいは仕事で使っている情報システムから、必要と思われた情報が得られるかどうか確認してほしい。

 「必要な情報はすべて手に入る」という読者がおられたら、あなたが所属する企業あるいは団体は、情報を扱う卓越した仕組みを備えていることになる。実際には、ほとんどの方が「重要な情報は、現在の情報システムでは得られない」と気付くのではなかろうか。

「大金を投じたのに、欲しい情報がすぐ出てこなくて…」

 企業の経営トップは情報システム、すなわちIT(情報技術)をどうみているのだろう。「経営トップは情報システムに期待しているものの、期待する効果はまだ得られていないと考えている」。これは、日経コンピュータが2009年4月、上場企業とそれに準じる有力企業4000社の社長に実施したアンケート調査の結果である(調査結果は2009年6月24日号に掲載)。

 「ITの活用度を高めれば企業競争力を高められると思うか」という質問に対し、アンケートに応じていただいた480社(有効回答率12%)の経営トップのうち、34.4%が「そう思う」、46.4%が「やや思う」と回答した。つまり、回答者の80.8%がITに期待をかけている。

 ところが、「経営層が期待する効果をITで生み出せているか」という質問には、「思う」が8.3%に留まり、「やや思う」が44.2%であった。合計すると52.5%で、期待と効果の実感の間にかなりの差がある。

コメント11件コメント/レビュー

端的にいうと、入力もしていない情報を出力できる錬金術みたいなシステムや、社長のその場その場の思いつきに即座に即答できる超絶人工知能システムはこの世の中には存在しない、ってことかな。(2010/04/02)

「経営学の巨人ドラッカーから学ぶ「情報論」」のバックナンバー

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「43年前に指摘された「コンピュータ病」」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

端的にいうと、入力もしていない情報を出力できる錬金術みたいなシステムや、社長のその場その場の思いつきに即座に即答できる超絶人工知能システムはこの世の中には存在しない、ってことかな。(2010/04/02)

わざわざコメントするのもどうかと思いますが、うちの会社の上層部のビジネスセンスのなさに絶望している最中なので、やつあたり的に書かせていただきます。わが社の上層部も「あのデータが欲しい、このデータが欲しい」と次から次へと思いついてそれをシステムに反映し、データを入力するという作業を増やしてくれます。それに比例して現場の工数は倍増し、ただでさえ複雑怪奇な作業がさらにもつれ、ミスが増え、効率が下がり、顧客満足度も従業員満足度も低下します。「データが欲しい」と考えること自体は否定しませんが、問題はそのような手間隙かけても全体の業務システム(IT以外の部分も含めた)自体は決してよくはなってこないし、それによって明らかに業務上の改善がもたらされ、損失が利益に変わるという見込みがまったくないことです。要するにどうやっって業績を改善していくのかという目標も戦略もないままに思いつきでふらふらと無駄な作業を増やす。ITで数字を得ることはできても、収益を改善する戦略は自らが生み出すしかないということがわかっていない。このセンスのない上層部に自分の会社の運命が握られているかと思うと、滅入るばかりです。数字は単なる数字です。それがわからない経営者の経営を、個人的にMBAごっこと呼ばせてもらってます。(2010/04/01)

情報システムも電卓も「入力→処理→出力」が原則です。「1+2=」と入力するから「3」という結果が出るのです。入力なしに出力を得ようなんて虫が良すぎます。それより、本コラムを読んでコンビニのPOSを連想しました。コンビニに置いてある商品点数は有限ですから、POSを導入しても「いま置いてある商品で何が売れているのか」しかわかりません。これから売れる商品を見つけるにはPOSデータ以外に天候や流行など様々な外部情報が必要になります。さらに大事なのはデータをもとに推測する力です。これはコンピュータでは実現できないかもしれません。(2010/04/01)

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