日本でも導入が進み始めたクラウド。中でも目立って増えてきたのがSaaS(Software as a Service)型のコミュニケーションツールである。特に人気が高いのは、グーグルのGメールを含む「Google Apps」だ。
約50の大学がGメールを採用
Google Appsの採用で先行しているのは大学である。既に10万人の学生が利用する日本大学や一橋大学、立教大学、岡山大学など約50の大学が導入している。大学で導入が相次ぐ一番の理由は、教育機関向けのエディションである。「Google Apps Education Edition」が無料で提供されているからだろう。
グーグルの狙いはGoogle Appsをできる限り多くの学生に使ってもらうことで、将来これらの学生が企業に入社した際にも、継続して利用してもらうことだ。グーグルのサービスに慣れ親しんだユーザーが企業内で増えていき、こうしたユーザーの声が大きくなっていけば、既存のコラボレーションツールの牙城を崩せる、と踏んでのことだろう。
既に企業においてはプライベートでGメールを利用しているユーザーが「なぜ会社ではGメールが使えないのか?」と不満を募らせるケースが増えてきている。学生時代に学内でもプライベートでもGメールを利用してきた学生が今後続々と入社するようになると、ますますGメールの利用を社内でも求めるケースが増加しそうだ。
企業でも採用が始まる
一方、企業においてはどうか。確認したわけではないが、セキュリティを気にする日本企業の場合、大学よりは導入が遅れていると推察される。しかしながら、東急ハンズやユニチャーム、松竹、ガリバーインターナショナルなどの企業が導入を開始しており、この傾向は今後も続きそうだ。
ちなみに全世界では、既に200万以上の企業が導入しているとされる。
今回は、企業におけるGoogle Appsの活用事例として、ガリバーインターナショナル(以下、ガリバー)の例を紹介しよう。
中古車売買大手のガリバーは、1994年の創業以来、全国にある直営店やフランチャイズ店で買い取った車を、展示場での販売を一切行わず、買い取りから7〜10日でオークション会場に売却するという「買取」に主眼を置いた斬新なビジネスモデルで成長してきた。
2010年2月期の連結売上高は約1490億円、営業利益は52億8100万円を記録している。特に、営業利益は前期比で35.2%増と好調である。
「買取」から「販売」へビジネスモデルを変革
同社では、この要因として、中古車オークションを通して中古車事業者に販売する「卸売り」よりも利益率が高い一般消費者向けの「小売り」の台数(直営店小売台数)が前期比38%増となったことによって、利益率が改善したことを挙げている。
同社では2008年9月頃から、「買取」から「販売」へとビジネスモデルの変革を進めてきたが、このビジネスモデルの変革が成功を収めつつあるといってよいだろう。
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