• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

パソコン操作は情報リテラシーではない

ドラッカー自身は、タイプライター、ファクス、電話の人

2010年5月20日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 時代の変化とともに、われわれ自身が変化しなければならない。読み書きと掛け算に毛の生えた程度の最低限のコンピュータ・リテラシーから、情報を使ってものごとをなしとげるという情報リテラシーの域に達しなければならない。それは面白く価値のある挑戦である。

   ~ ピーター・F・ドラッカー(上田 惇生訳)

 『ネクスト・ソサエティ』(上田 惇生訳、ダイヤモンド社刊)に収録されている「コンピュータ・リテラシーから情報リテラシーへ」という論文からの引用である。

 リテラシーとは「読み書きのできること」を意味する。「素養」と訳す場合もある。

当面の環境において、適切に機能するため

 いささか唐突だが、リテラシーと聞くと筆者は、米国の国際技術教育学会(ITEA)がまとめた『Standards for Technological Literacy』という極めて興味深い書籍(邦訳は『国際競争力を高めるアメリカの教育戦略』、教育開発研究所)を思い出す。2003年に、同書を紹介するコラムを当サイトの前身である日経ビジネスEXPRESSに書いた(『「技術とは何か」、学校で習いましたか?』)。

 ちなみにこの本は、幼稚園から高校卒業までに実施することが望ましい技術教育の内容をまとめたものだ。リテラシーについては「当面の環境において、適切に機能するために必要な基礎的な知識や能力」、テクノロジカルリテラシー(技術リテラシー)については「技術を使用し、管理し、理解し、評価する能力」と、それぞれ定義している。

 「当面の環境において、適切に機能する」ことを「日本で生活する」とすれば、日本語の読み書きや計算が必要であろう。こうした能力がなくても生活はできるが「適切に」とは言い難い。

 「当面の環境において、適切に機能する」ことを「オフィスでパソコンを活かす」とすれば、必要とされるのは、表計算ソフトやワープロソフトを使ったり、電子メールを送受信する能力になる。つまり、コンピュータを操作し、使う能力である。

パソコン操作は読み書きそろばんに毛の生えた程度

 ただし、このリテラシーについてドラッカーは「読み書きと掛け算に毛の生えた程度の最低限の」と評している。時代が変わり、「当面の環境において、適切に機能する」ことは、新しい環境に即応して仕事において成果を出すことになった。それゆえ、「情報を使ってものごとをなしとげるという情報リテラシーの域に達しなければならない」というわけだ。

 つまり、コンピュータ・リテラシーと情報リテラシーとは異なる能力を指す。さすがに最近は無くなったが、一時期、電子メールやパソコンを愛用する経営者を、情報リテラシーが高いとするかのような報道がメディアでなされた。これは、コンピュータ・リテラシーの話である。

コメント4

「経営学の巨人ドラッカーから学ぶ「情報論」」のバックナンバー

一覧

「パソコン操作は情報リテラシーではない」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BPビジョナリー経営研究所

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者、2009年1月から編集長。2013年から現職。プロジェクトマネジメント学会員、ドラッカー学会員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック