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21世紀に通用する日本の伝統工芸

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2010年6月23日(水)

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 ファッションからインテリア、家電や自動車まで、世界に名立たる企業が注目している素材がある。京都の素材メーカー、アウラが開発した「縅錣(おどししころ)」がそれだ。

 これは西陣織の技法を駆使して作られた革の織物。魚の鱗や鎧を思い起こさせる独特のパターンは、思わず触らずにはいられない魅力を放つ。

 実際に触ってみると、緯糸(よこいと)の細くスライスされた革が柔らかい独特の風合いを保ちながらも、経糸(たていと)のおかげでさらりとした独特の質感を持つ。緯糸となる革と経糸の種類や色の組み合わせを変えることで、多様な質感や柄を作ることが可能だ。

緯糸として短冊状の革を使うため、素材のムダが少ない。

クリスタルを革に織り込む

 この優れた質感もさることながら、様々な業界の企業が関心を寄せるのは、進化のスピードの速さと可能性の高さにある。例えば、縅錣にスワロフスキーのクリスタルなどの異素材を織り込む技術を開発した。

特殊なフッ素の含浸処理を施し、防水性や防汚性を高めた革のひもを西陣織の技法で織り込んだ革のファブリック。革やエナメルだけでなく、スワロフスキーのクリスタルまで織り込む技術を開発した。
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 これによって、クリスタルが輝く革で作った着物という全く新しいファッションが登場した。それだけでなく、革の分子間にフッ素を染み込ませるアウラ独自の技術によって、高いはっ水性能や防汚性能も実現している。

 アウラの野々村道信社長と、開発に協力している京都の職人は、今もなお、この素材の新しい可能性を追求し続けている。例えば「現在研究中の、汚れを分解する光触媒繊維を経糸に採用すれば、全く汚れない革の織物も可能」(野々村社長)と機能面での進化に余念がない。

 抗菌作用や放電作用を持つ経糸と組み合わせることで、さらなる機能性向上も期待できる。様々なメーカーから寄せられる需要に応えるべく、熱や伸び、すれや剥がれに対する検証試験を繰り返しているところだ。これからも、西陣が織りなす伝統と先端技術の融合で、次々に驚くような試みを打ち出していくことだろう。

最先端の機器を媒介にする

 伝統工芸を用いたモノ作りに取り組み、高い独創性を誇る製品を次々と世に送り出してきた丸若屋(東京都世田谷区)が、印傳(いんでん)を使ったiPhone(アイフォーン)用ケースを開発した。印傳は、なめした革を染色し、漆で様々な模様をプリントした日本古来の工芸品。丸若屋の丸若裕俊代表は「日本の伝統工芸の中でも職人により固く守られてきた技術の1つ」だと言う。

浅草 前川印傳が製作した米アップルの携帯電話端末「iPhone」専用のケース。縦117×横65ミリメートル。
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 丸若屋はこれまで敷居が高いといわれてきた伝統工芸を手がける人々をパートナーにして高品位なモノ作りを行ってきた。印傳でiPhoneケースを製作したのは、東京・浅草に店舗を構える前川印傳で知られる前川皮革工芸(東京都足立区)だ。

 製作は、印傳職人に対して、iPhoneケースがどんなものかを説明することから始まった。そのうえで、印傳をカバーの素材であるプラスチックに貼り付けることが可能なのか、また、印傳を立体的な形状に加工できるのかなど、試行錯誤を続けた。


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