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iPadが変えるシニア、営業、そして・・・。

「サクサク感」がもたらすビジネスの新しい可能性

  • 小林 慎和

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2010年5月27日(木)

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 5月28日、いよいよ米アップルのパッド型端末「iPad(アイパッド)」が日本で発売になる。iPadはパソコンがないと使い始めることができない。パソコンに接続し、Apple IDを入力して、iPadをアクティベーション(認証手続き)する必要がある。iPad WiFi-3Gモデルであれば、ソフトバンクモバイルの店頭においてアクティベーションを代行してくれるのであろうが、WiFiモデルでは、パソコンが必須となると思われる。

 iPadの存在を知った時に、思ったことが2つある。それは、これは究極のシニア端末になるのではという点と、10年前とあるメーカーから発売された端末にコンセプトが酷似している点。順に触れていきたい。

1歳の娘から86歳の祖母まで使いこなせる

 私は普段、アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を使っているが、あのインターフェースの使い心地は飽きることがなく、日がな1日触り続けるいわゆる“iPhone症候群”に陥っている。パソコンをずっと同じ姿勢で使い続けると、姿勢性症候群になるらしいのだが、それのiPhone版といったところか。こうした事態に陥るのは、一重にそのユーザーインターフェース(UI)が格別だからである。iPhoneが最も成功したのは、何万ものアプリケーションやデザインではないと思う。ただ1点、あの「サクサク感」が、今のユーザー急増を生んでいるのであろう。

 そして、このiPhoneのUIは、私の1歳の娘も一瞬で使いこなすようになるし、86歳になった祖母も軽々と扱う。正確には、写真を撮影して、それを指でなぞり動かしたりマルチタッチで縮小拡大したりする操作である。IT(情報技術)リテラシーという単語を適用できないほど、ITに全く慣れ親しんでいない人でさえ、軽々とユーザーにしてしまうiPhone。であるがゆえに、iPadは究極のシニア端末になるのでは、と思ったのである。

 しかし、パソコンがなければアクティベートできない。コンテンツ配信サービス「iTunes Store(アイチューンズ・ストア)」を考えた場合、この仕組みは当然理解できるわけであるが、究極のシニアビジネスに活用できる端末になるのでは、と考えていた筆者には少しばかり冷や水をかけられた気分である。

 ウェブビジネス業界では最後のフロンティアとしてシニアビジネスへの展開が熱い。テレビでインターネットが利用できる「アクトビラ(acTVila)」もITリテラシーの低いシニアが重要なターゲットの1つである。慣れ親しんだテレビのリモコンでならば、シニアでもインターネットを使うのではないか。そこからネット通信販売の市場がテレビ経由で拡大するのではないか。そういう目論見がある。

 また、任天堂のゲーム機「Wii(ウィー)」もシニアビジネスへの展開を考えている。複雑な操作を必要とせず、必要最低限のボタンしか搭載していないWiiリモコン。テレビに向け、直感的に方向を変えるだけで操作ができるという点で、シニアユーザーを取り込もうとしている。

iPadがシニア消費を生み出す可能性

 今回iPadが提供する「メモアプリ」は、縫い糸のステッチや革の質感までをも再現した作りとなっている。ここまで、「本物」に見かけを近づけるのには、ワケがある。つまりは、これまでリアルの世界で慣れ親しんできた「動作」というものを、直感的に誘発させようとしているわけである。

 この分かりやすさがあるゆえに、iPadは究極のシニア端末となりえる。

 価格競争、デフレ、消費停滞、そういうネガティブなワードが連呼されている。日本の個人金融資産は1439兆円、そのうち現預金が790兆円。この内の多くの部分を、まだITを通した消費には向かっていないシニアが保有している。この眠れる巨大な資産を消費に回すきっかけをiPadのような端末は与えうる。

 例えば、iPadをデジタルフォトフレームとして活用し、米グーグルの写真共有ソフト「Picasa(ピカサ)」などと連携、孫の写真が定期的にアップロードされる仕組みを作り込んだとする。ついつい祖父母たちは写真をなぞる。動かす。拡大する。顔部分に触れるかもしれない。自分が送ったTシャツ部分に触れるかもしれない。孫が手に取っているアンパンマンの人形部分をなぞるかもしれない。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長