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【最終回】顧客をわくわくさせていますか

未来を開く「ずらし」は価値提案の見直しから

  • 木村 公昭

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2010年5月28日(金)

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 勝ちパターンは未来の競争優位についての仮説である。仮説ではあるが、その可能性にコミットしないと勝てないところが悩ましい。

「ずらし」のポイントは価値提案

 まず、やってみて、気づきを得て、修正することを繰り返しながら、有効な仮説を見出す。有効と判断したら、大胆かつ徹底的にそれを実行する。そして、既存の勝ちパターンで勝てなくなる前に、新たなパターンへと世代交代を図る。難しいことだが、これができた企業だけが生き残る。

 前回は世代交代に不可欠な「種まき」について考えた。そして、目前の問題に対する創造的な取り組みが、勝ちパターンの芽を育てる筋の良い「ずらし」につながった事例を紹介した。

 最終回となる今回は、競争の次元や視点を「ずらす」際に重要となる、顧客に対する価値提案について考えを深めたい。

シナリオは不確実性への備えになるか

 未来は不確実である。未来を予測するという試み(しかし、当たらない)も、変化に適応するという試み(しかし、変われない)も、不確実性の問題を解決することはできない。

 予測でも適応でもない第3の試みとして、複数のシナリオを用意して、シナリオごとに勝ちパターンを考え、別のシナリオが実現したときのリスクに備えた上で、勝ちパターンを実行することが考えられる(例えば、レイナー『戦略のパラドックス』翔泳社)。

 このアイデアは悪くない。しかし、どうも腑に落ちない。語りつくされた感がある話だが、家庭用VTRの規格を巡る争いを題材にして、シナリオという考え方を取り入れていれば、当時のソニーが勝てたかどうかを考えてみよう。

 1976年、ソニーは「ビデオ元年」を宣言し、ベータマックスの立ち上げに全力を注ごうとしていた。その年に、ビクターが独自のVHS規格のVTRを発表した。ソニーにとっては晴天の霹靂だった。そして家電業界はベータ陣営とVHS陣営に分かれ、激しい主導権争いに突入することになる。その結末は、ご承知のとおりである。

 ソニーはベータマックスで規格を統一するために、水面下でビクターを含む各社に試作機と技術を公開してきた。だからこそ、その中の1社が新たな規格で勝負に出るシナリオを想定しておくべきだった、そのシナリオを想定していれば、事前に芽を摘むこともできたはずだと、後知恵では言える。

問題の本質は価値提案の競争

 しかし、問題の本質は違うところにあるように思える。

 ソニーはベータマックスの普及に際して、「なぜ」これが家庭に必要なのか、「どう」使うのかを訴える必要があると考えた。そして、ベータマックスを使えばテレビ番組を好きな時間に見られるというテレビ番組の新しい楽しみ方を「タイムシフト」という言葉で表現した。

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