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数値経営力学で経営を「見える化」する

優れた経営のヒントがここにある

  • 宮田 秀明

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2010年5月28日(金)

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 30歳から40歳までの10年間の研究のほとんどは、コンピューターを駆使する「デジタル流体力学」という分野の研究だった。最初に開発したのは、船の波をコンピューター上で再現するための新しいソフトウエアだ。

 船は波を作りながら進むのだが、その波が大きいということは、波を作るための馬力が必要なわけだから無駄が多い。つまり船の馬力のかなりが波を作ることに使われてしまう。だから、波が小さく低くなるように船の形を設計したほうがいい。

 しかし、その頃までは、実験を繰り返すという時間と費用のかかる設計法しかなかった。色々な形の船を設計して、長いプールのような実験設備で5、6メートルもある大きな模型船を走らせて、いちばん馬力が小さくて済む船を選ぶのが一般的な設計法だった。

 20代の会社員時代、私は造船会社で、この通りのことをした。色々な形を設計して横浜の研究所の実験に立ち合って、既に受注していたバラ積み船の形の最終形を探した。

なぜ利益が最も大きいかを追求する余地あり

 どうしてその形にすると必要な馬力が小さくなるのかはあまり考えなかった。また、形を変えると船の作る波がどのように変わるかもあまり考えなかった。経営で言えば、商品を変えてみたり、ビジネスのやり方を変えてみて、利益が最も大きかった商品や経営方法を採用するといった具合だ。どうしてその経営方法が良かったのかはあまり追求して考えようとしないことが多いのと同じだ。

 水の現象も、経営の現象も、複雑で非線形だから、メカニズムは分からないものと考えて、結果だけで判断してしまっていたのだ。これでは設計と経営も、今一段の進歩は望めない。

 水の運動は「ナビエ・ストークス式」という難しい方程式に従うのだが、この方程式はそのままでは解けない方程式だ。これをコンピューターを駆使して数値のカタマリに置き換えて力づくで解くのが「数値流体力学」という学問分野だった。今では機械工学、航空工学、土木工学、船舶工学、気象学など広い世界で当たり前の技術になっている。事業仕分けで科学技術予算削減の象徴的なもののように議論された「地球シミュレーター」も、このためのコンピューター設備である。

コメント5件コメント/レビュー

「見える化」が最も必要なのは国家予算では?ぜひ世界一のスーパーコンピュータを駆使して無駄を省いていただきたい。(2010/05/28)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「見える化」が最も必要なのは国家予算では?ぜひ世界一のスーパーコンピュータを駆使して無駄を省いていただきたい。(2010/05/28)

商品流通の見える化が徹底して実行されたら確かに今より見えるようになるものもあるでしょう。たしかに企業の経営の助けにはあるでしょうし、それもしない企業より優位になるかもしれません。でもそれをした上でも見えないところに経営の難しさ、極意、醍醐味と言うものがあるのではないですか?卑近なたとえとして、もしある商品が売れていて、一時的に品薄になったとします。ICタグの販売実績からは存在する商品の動向はつかめても、あれば売れたかもしれない存在しない商品の販売予測はつかないでしょう?ユニクロのヒートテックが品切れだった時など、あったら買うのに企業としてもったいないこと(機会損失)してるなと思いました。過去の商品の実績を使ってシミュレーションしても、新商品の予想はつかないでしょうし、消費者動向の変化のサイクルも速くなっている。消費者の嗜好の発生メカニズムが分かる方法でも見つけないことには、過去の現象・実績に頼って未来を作って行くのは難しいと思います。昨今の日本企業の勢いが世界から取り残されつつあるのも、こうした後ろ向きの(成功体験に頼った)実績重視の経営方法から来るのではないでしょうか。いくらシュミレーションしても、新しい価値をコンピューターが創り出してはくれないと思います。(2010/05/28)

実験結果だけで船の形状を決めてた・・なぜそうなるか考えていなかった・・まったく信じられません。後段の話に繋がるよう書かれたように私には思えます。またコンピュータによる経営シミュレーションもビジネススクールの初日に聞くようなお話でした。日経BPの読者であれば読み終えるまえに落胆するでしょう。記事の論点をズバッと明確に書いていただきたい。(2010/05/28)

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