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「マンガ」と「写真」が普及の追い風に

本格的ネットテレビの時代も見えてきた

  • 瀧本 大輔

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2010年6月2日(水)

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 iPadが日本に上陸してから早くも丸4日が過ぎた。この週末、寝る間を惜しんでiPadで遊んでしまった方も少なからずいるはずだろう。

 私はといえば、この週末は日本市場向けに投入された電子書籍や電子雑誌のアプリを楽しんでみた。スターツ出版の「オズマガジン」やコンデナスト・ジャパンの「GQ JAPAN」「VOGUE NIPPON」などがそうだ。

まだiPad専用のマンガアプリは少ないが

 どれも現時点では紙の雑誌のデータを流用しているようなので、さほど目新しさは感じない。指でページをめくって進むことや、一部に動画を載せてあることを除けば、基本的には紙の雑誌の延長線上にある。iPadが登場したばかりであることを考えれば無理もないだろう。

 今後、デジタル時代の“雑誌”のあり方を再検討したうえで、ゼロベースで考えたデジタルならではのコンテンツに進化していくはずだ。その時を楽しみに待つことにしたい(同じ雑誌編集に携わる立場として、他人事のようには言えないが…)。

 従来型コンテンツの中にも、大ヒットを予感させるものがある。それはマンガだ。

 この原稿を書いている時点では、iPad専用のマンガアプリは少ない。だが、ここで生きてくるのがiPhoneアプリだ。そのままでは画面の中央にぽつんと小さく表示されるが、右下にある「2倍」ボタンを押せば拡大表示されるのだ。

大画面で楽しむマンガに思わず徹夜

 個人的にハマってしまったのが、「賭博黙示録 カイジ」という作品。借金の保証人になったことで多額の負債を抱えた無職の青年が、負債をチャラにしようと危険なギャンブルに挑んでいく…という筋書きだ。単なるマンガとあなどることなかれ。iPadの大きな画面に表示させて手元で読むと、紙のマンガ以上の迫力で楽しめる。

マンガ「賭博黙示録 カイジ」の一場面。iPadでも紙の書籍と遜色ない表現力だ

 ほかにも、「サラリーマン金太郎」のような有名作品や、手塚治虫の作品を有償でダウンロードして楽しめる「手塚治虫マガジン」などがある。一部はiPhone用のアプリだが、ぜひともiPadの大画面で見ることをオススメする。「ブラックジャック」や「鉄腕アトム」、そして「火の鳥」をiPadで楽しめるなんて、想像しただけでワクワクする。

 本屋にダッシュしなくても次巻を購入できる電子書籍だけに、マンガ好きには誘惑との戦いになるはずだ。私も原稿を書かなくてはならないのに調子に乗って、1本115円の「カイジ」を現時点で発行されている20巻まで一気に読み続けてしまった。気付けば外がうっすらと明るくなっていて、原稿を1文字も書けていなかったのは、ここだけの話にしておこう。

 いずれにしても、将来的にiPadやiPhoneに対応したマンガが増えたり、マンガ雑誌のデジタル化が進んだりしていけば、iPadや同種のタッチパネル型端末の普及が若年層にも一気に進むはず。それは同時に、電子書籍端末の幅広い層への普及をも意味する。出版業界は既存の発想にとらわれず、デジタルならではの表現を模索し確立していく必要があるだろう。

 もちろん紙の書籍の良さもあるので残っていくはずだが、読者にとっては数年以内に「読書」という行為の意味がガラッと変わっていくことになる予感がする。

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