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ツイッターは炎上しにくく「忘れっぽい」メディア

訳者が読む『ビジネス・ツイッター』(2)

2010年6月7日(月)

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 実は、『ビジネス・ツイッター』著者のシェル・イスラエルは、本書を書く前にツイッター上で大失敗したことがある。

 2008年の3月、シェルはビデオブログのシリーズをユーチューブにアップした。そのうちの1本は『ビジネス・ツイッター』にもたびたび登場するフォレスター・グループのアナリスト、ジェレマイア・オイヤンに対するインタビューだったが、シェルはビデオ制作に慣れていなかったために出来があまりよくなかった。そこに1938 Mediaというサイトを運営するローレン・フェルドマンというブロガーが登場する。フェルドマンは元ハリウッドのマイナーなコメディアン兼映画プロデューサーで、ブロガーに転じてからは有名人をおちょくるビデオブログを専門にしていた。オイヤンのインタビューが運悪くフェルドマンの目に止まってしまう。フェルドマンはシェルに似せた指操りのパペットを主人公にした少々悪どいパロディーをシリーズで作った。

 広報のコンサルタントをしていたシェルは、クライアントがそういう立場にあったら「関わりあいになるだけ損だ。放っておけ」とアドバイスしたはずだが、紺屋の白袴とはよく言ったもので、シェルは逆上してツイッターで悪態をついてしまう。曰く「ポルノ屋上がり人種差別主義者」、「脇の下でおならの音を出してみせるような下品なタイプ」、「フォロワーに弁護士はいないかな? ちょっと相談したい」等々。もちろんこれはまったくの逆効果で、当時ウェブ界でまったく無名だったフェルドマンのサイトに大量のトラフィックを呼び込む結果になってしまった。

 たまたまシェルともローレン・フェルドマンとも友達だったシリコンバレーのITニュースブログ「TechCrunch」のマイク・アリントン編集長が見かねて、『ベストセラー「ブログスフィア」の著者、なぜか炎上を招く』という記事を書いてシェルに「落ち着け」とアドバイス。マイク・アリントン自身もウェブ上で「大人気ない大げんか」をときどきやらかす方なのだが、他人のこととなると冷静な判断ができたもようだ。フェルドマンも少しジョークがくどかったと反省してシェルを直接おちょくったビデオは取り下げた。

 ところがシェルのパペットは妙に人気が出てしまい、「ハイ・アイム・シェル・イスラエル!」で始まるパペットによるインタビューはいまだに続いている。シェル本人もこれには苦笑いで黙認。たとえば下のビデオだが、『ビジネス・ツイッター』の第3章をはじめとした何カ所かで紹介されている著名な女性ブロガー、エリン・ベストをパペットのシェル(声・ローレン・フェルドマン)がインタビューするという面白いことになっている。

 『ビジネス・ツイッター』の著者でさえこういう失敗をしているのだが、すぐに笑い話として忘れられてしまい、本人には長期的ダメージはまったく残らなかった。「ツイッターの忘れっぽさ」のいいところかもしれない。

ツイッターはあらゆるソーシャルメディアの中でもいちばん安全

 企業がソーシャルメディアの利用をためらう理由のひとつは、トラブルを恐れるからだろう。シェル・イスラエルの例でもわかるように、ソーシャルメディアの中でツイッターは一番トラブルが深刻化しにくいタイプだと言える。実際、日本での企業ユースでのトラブル事例と言えば、上島珈琲がボット(プログラム)を使って宣伝メッセージを大量に発信して批判されたのがほとんど唯一だろう。しかも上島珈琲側の迅速な謝罪で結果的にはむしろ好感度を上げている。

 手動、自動を問わずスパムまがいのメッセージを送りつけるユーザーは現在も後をたたないが、特に話題にならない。それはツイッターの場合少しでも「うるさい」と思えば、ワンクリックでその相手をアンフォロー(フォローを中止)できるからだ。それでも「@」つきメッセージで直接スパムを送りつけてくるようだったら、その相手のページに行って右サイドバーの下の方にある「ブロックする」をクリックすればよい。以後相手の発言は自分のタイムライン(ホームページ)に表示されないし、自分の発言も相手のタイムラインに表示されない。簡単に絶縁できるから文句を言う気にもならない。

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「ツイッターは炎上しにくく「忘れっぽい」メディア」の著者

滑川 海彦

滑川 海彦(なめかわ・うみひこ)

IT分野の評論と翻訳を手がける。ITニュースブログ「TechCrunch Japan」翻訳チーム。著書に、『ソーシャル・ウェブ入門』(技術評論社)ほか、訳書に『フェイスブック 若き天才の野望』など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官