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新しい地域情報メディア「V-Low帯」の可能性

ラジオ放送に交通や教育、福祉などのサービスが連動する

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2010年6月15日(火)

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 地上放送の完全デジタル化によって空く周波数のうちV-Low帯(VHFの第1~第3チャンネルの18MHz幅)を利用したマルチメディア放送を念頭に置いた議論が、総務省の研究会で進められている。実用化の準備で先行するV‐High帯を利用したマルチメディア放送(現在NTTドコモあるいはKDDIが出資する会社がそれぞれハード事業に参入準備中)は、全国に同じコンテンツを送信することになっているのに対し、V-Low帯は地域別の異なった情報を送信できることが特徴である。

 地域別の異なる情報配信メディアという特徴を生かして、総務省は「ラジオと地域情報メディアの今後に関する研究会」を開催し、このV-Low帯を地域情報メディアとして活用できないかと議論を行ってきた。ここでは、まず番組の自社制作比率が高く、また防災情報の提供など地域住民にとって重要な情報ツールの役割を担っているアナログラジオ放送を重要な地域情報メディアと位置づけている。そのうえで、デジタルラジオとしてV-Low帯へ移行する道筋に関する議論してきた。

報告書案の取りまとめ前に意見を募集

 それと同時に、デジタルラジオにとらわれず、地域情報メディアとしてV-Low帯の放送波を利用する様々なサービスの可能性、タブレット型を含む各種の想定端末の姿を議論した。現在は、報告書素案(文章化の前の段階)を作成し、パブリックコメントの募集を開始している段階である。

 報告書案をまとめる前の段階での意見募集というのは、異例の展開とも言える。研究会も様々な用途を想定しているが、現場から地域情報メディアとして魅力な提案があれば、積極的に取り上げていこうという考えのようだ。

 V-Low帯については、一部に「iPad(アイパッド)でラジオ受信」という報道もあったが、米アップルの「iPad」のようなタブレット端末にラジオ放送を受信する機能は今でも実現でき、メーカーによる製品企画事項である。V-Low帯マルチメディア放送は、ラジオ放送と一緒に、各種のコンテンツ(画像・音声・データをいかようにも組み合わせたもの)が一緒に送ることができる。例えば、タブレット端末にV-Low受信機を搭載すると、電子新聞/チラシや電子書籍、地域の情報などを受信できる。ついでに、デジタルラジオ放送を受信できるというのがV-Low端末の1つの姿である。

 現行のアナログラジオ放送でも、FM放送のほんの一部の帯域を利用して、例えばカーナビのVICS(道路交通情報通信システム)用に渋滞情報がデータ多重放送として提供されている。ただし、帯域が狭いため使える用途は限定的だった。V-Low帯では、放送波そのものをデジタル化するため、格段に大容量化される。それを前提に、NHK/民放以外の第3のプレーヤーによる利用の拡大を、研究会は想定している。

画像のクリックで拡大表示

 ラジオ放送は重要な地域情報を担うアプリケーションの1つだが、ラジオ放送以外の様々なプレーヤーが相乗りすることで、そのV-Low端末はラジオのデジタル化以上の魅力を発揮できることになる。

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