日産自動車が今年12月に日米で発売する電気自動車(EV)「リーフ」の試作車に試乗した。同社の追浜工場(神奈川県横須賀市)で近く始まる量産レベルの試作モデルは、“電動車両”独特の爽快な走りに仕上がっていた。EVの難点である航続距離も、筆者の想定を若干上回る水準となりそうで、意外だった。
日産のEVに試乗するのは、ほぼ1年ごとに3度目。2008年はコンパクトミニバンの「キューブ」、昨年はハッチバック「ティーダ」をベースにした車両であり、いずれもリーフにつながる先行試作車だった。
各バージョンともEVならではの加速性能は際立っていたが、「キューブ」版はとりあえず電池を大量に積んで走り始めたという段階だった。電池の収容を優先したためバランスが悪く、重い荷を背負って走るトラックのような感覚だった。
「ティーダ」版は電池レイアウトや車体が、よりリーフに近いものになり、俊敏さは格段に増した。だが、風切り音など走行時の騒音対策には改良の余地があった。
「乗って楽しい」を追求したクルマ
そして「リーフ」の量販試作車。試乗前に志賀俊之COO(最高執行責任者)から「エコが要件のクルマではあるが、自動車会社がつくるEVなので『乗って楽しい』を追求した。楽しんでください」と言われた。
ベンチャー企業が、電池とモーターとインバーターを買ってきて組み立てたEVとは違う。安全性の徹底追求を含め、長年の自動車製造業者としてのノウハウを投入したというわけだ。
風切り音や空力に配慮した車体デザインを採用したリーフは、静粛性が1年前の試作車より大きく改善されていた。加速時にはわずかだが、「ヒューン」というモーター音が聞こえるようにしており、軽快さを演出している。
電池を床下に集中配置するEV専用のプラットホーム(車台)を開発したことで、走行安定性も増した印象だ。
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