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アップル、アマゾン、グーグル三つ巴の「メディア作り」

業態を超える「高次元への競争」の号砲が鳴った《後編》

  • クロサカ タツヤ

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2010年6月24日(木)

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 スマートフォン「iPhone 4(アイフォーン4)」の発売日を迎え国内でも盛り上がる米アップル陣営だが、iPhoneとパッド型端末「iPad(アイパッド)」向けのオペレーティングシステム「iOS」の最新バージョン発表など、新製品の投入が続いている。一方の米グーグルによるAndroid(アンドロイド)陣営も、スマートフォンのみならずパッド型端末やGoogleTVなど、より多角的な展開で勢いを増している。

 こうしたアップルとグーグルのプラットフォームを巡る競争について、本連載では過去2回に渡り分析を続けてきた。ただ前回の文末でも触れた通り、筆者はこの2社の対立の構図だけでは状況を読み解くのに不十分だと感じている。まとめとなる今回は、もう一方の雄である米アマゾンを交え、彼らが何を競っているのか、その本質について考えてみる。

「販売」を貫くアマゾン

 本連載をお読みの方であれば、アマゾンが何をしている会社なのかをご存じないという人は、ほぼおられないだろう。言わずと知れた世界的な書籍のネット販売最大手であり、最近では書籍に限らず様々なモノを売る総合的なネット通販事業者である。日本でも、書籍売り上げでは既存の書店を抜いてナンバーワンと思われ、またCDやDVDなど音楽・映像のコンテンツパッケージ販売に関しても同社なしではもはや商売が成立しない、ビッグプレーヤーである。

 一方で、最近は電子書籍の主人公の1人としても認知されつつある。同社の電子書籍端末「Kindle(キンドル)」という名前は既にあちこちで触れられているが、単に端末を販売するだけではもちろんない。彼らのコンテンツ販売ビジネスと直結させることで、従来は出版社や流通事業者が担っていた機能をも手中に収め、「著作者と読者をよりダイレクトにつなげるのではないか」と期待と不安の入り交じった思惑を生み出している。

 またアマゾンは、クラウドコンピューティング事業者の雄でもある。既にネットを介して自らの膨大なコンピューター・ネットワーク資源を「販売」しており、同社のクラウドインフラを利用したウェブベースのスモールビジネスは、日本でもチラホラ目につくようになってきている。

 このようにアマゾンが最近取り組んでいることを並べると、まず彼らは自分たちにできることをなんでも取り組んでいるように見える。そして彼らの様々な取り組みが、実はモノやサービスを売る、つまり「販売」というコンピタンスに貫かれていることに気づく。これこそ、彼らが脅威と目される所以(ゆえん)と筆者は考えている。

 プラットフォームも商材も選ばず、彼らが目指すのはとにかく「なんでも手がけて、なんでも売る」ことにある。実際これまで「どうすればたくさん売れるか、儲かるか」を中心に据えた事業開発や技術開発、さらにはそれを支える資本政策を進め、ことごとく成功してきた。

 最近のアマゾンの動きでその意識が明確に感じられるのは、「Kindle for iPhone」をはじめとしたKindleの他プラットフォームへの展開だろう(今夏にはAndroid向けも発表予定)。既に端末も提供されているKindleだが、自社端末に飽き足らず、ほかのプラットフォームへも積極的に乗り込み、コンテンツ販売でしっかり収穫しようとしている。またあまり話題にはなっていないが、従来アップルのiTunesミュージックストアが提供していたMP3音源の販売を、そっくりそのままアマゾンも実施しており、iTunesに匹敵するラインアップを揃えている。

 こうしたアマゾンの貪欲さは、グーグルとアップルのいずれにとっても、最も手強いフリーライダー(ただ乗り)となる。グーグルとアップルが頑張ってプラットフォーム開発を進めれば進めるほど、アマゾンが果実を得やすくなる。一方でアマゾンはもはや販売事業者として無視できない存在であり、また公正競争の観点からも、そう簡単に排除するわけにはいかない。前回はグーグルとアップルの関係を「痛し痒し」と表現したが、アマゾンはその両者にとってさらに上をゆく「痛し痒し」の存在となる。

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