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3Dで活況を呈する映画業界だが、足元はぐらついている

縮小するパイの奪い合いから、映画業界全体での収益拡大へ

  • 三宅 洋一郎

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2010年7月8日(木)

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 現在、夏休み商戦に向けて「踊る大捜査線3」や「インセプション」など大作映画のプロモーションが大々的に実施されている。また、昨春には、「アバター」や「アリス・イン・ワンダーランド」などの映画が3Dで上映され、100億円以上の興行収入(映画館の入場料の収入)を上げた。

 これらにより、直近の映画業界は盛り上がっているように見受けられる。しかし、映画業界全体を見ると、その情勢は決して明るくはない。

消費者の映画へかけるお金は減少傾向

 映画の基本となるサービスは、映画館での映画視聴である。その映画館の入場料収入(興行収入)は、1つの映画館に複数のスクリーンを持つシネマ・コンプレックス(シネコン)の増加により、1990年代後半は増加したが、2001年からほぼ横ばいの状況にある。それでも、シネコンは増加し続け、それに伴い映画の公開本数も増加した。

 当然のことながら、全体のパイが増加していない状況で、パイを分け合う要素が増加したということとなり、映画館の1スクリーン当たりの収入や、映画1本当たりの収入は低下した。つまり、収益性という観点で、苦しくなってきてしまったのである。

 さらに、1本の映画は、映画館への入場料収入だけではなく、ビデオソフト市場(DVDやブルーレイソフトのセル[販売]・レンタル収入)やテレビでの放映料といった収入などで成り立っているが、それらも減少している。通常の場合、映画館の興行収入よりもビデオソフトの販売収入のほうが利益への貢献が大きいため、ビデオソフトの収入が減っていることの影響は大きい。

 日本映像ソフト協会の調査によると、2009年のビデオソフト市場は、2008年と比較して91.1%と約1割減少したのである。特にレンタル市場が昨年比88.4%になり大きく減少した。これでまでは、DVDやブルーレイのセル市場は減少してきたが、レンタル市場は大きくは減ってこなかった。ビデオソフトには、音楽やお笑いなどもあり単純に映画だけが減少しているとは特定できないが、消費者が本格的に映画を観なくなっているのではという懸念はどうしても生じてしまう。

 ネット配信サービスは、ブロードバンドやVOD(ビデオ・オン・デマンド)を閲覧できるケーブルテレビの普及に伴い、市場が徐々に拡大している。しかし、有料のネット配信市場はかねて期待されていたよりも成長していない。しかも、有料のネット配信サービスで視聴されている動画の半分以上が、成人向けのコンテンツ(アダルトビデオ)であると推定される。

 消費者はネット上で、有料ではなく、無料のサービスで映画を視聴している。無料の映像配信サービスには、コンテンツを権利者から仕入れてサービスを提供しているサービス以外にも、「YouTube(ユーチューブ)」の動画共有サービスのように消費者が映像を投稿して、皆で共有するサービスがある。前者であれば問題ないのだが、後者の動画配信サイトに違法に投稿された映画を視聴者が無料で視聴しているのであれば問題である。

 どちらにしても、消費者はネット上にある映画を無料で視聴し、その結果、映画に料金を払う意識がどんどん減ってしまっているのではないだろうか。

安売りがもたらす功罪

 このような状況の中、値下げをすることで、映画視聴人口を増やす動きが活発になってきた。

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