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産業再生には資本集約が不可欠だ

先行するアジア企業

  • 宮田 秀明

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2010年7月16日(金)

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 企業にも産業にも技術にもライフサイクルがある。誕生し成長し、頂点に達し、衰退し、消滅してしまう。

 日本の造船業が確実な衰退のステージに入り始めたのは1999年ごろだ。1999年に受注シェアで韓国に抜かれた。それ以来、造船世界一の座を失った。

 ちょうどこのころ日本では、経産省と経団連が協力して、製造業を中心とした16業種の産業技術戦略を立案するプロジェクトがあった。2000年に国家産業技術戦略検討会が「国家産業技術戦略」として成果をまとめている。私も造船業の技術戦略作定を座長代理としてお手伝いした。翌2000年度からは、その戦略案を実行するための造船技術戦略会議の議長を務めた。

 様々な技術開発の案を作業部会につくってもらい、その実行のための枠組みづくりも行った。第1のテーマはライフ・サイクル・バリュー(LCV)船の開発である。

 簡単に言えば、10年間保証する高品質の船を開発し、長いライフサイクルの間で、最も価値のある船を提供するというものだ。製造はもちろん、販売、メンテナンスサービスまで含めたトータルで価値を提供する。さらに、検査機関や保険会社も巻き込んで取り組むことをうたった。

 現在でも船の保証期間は1年である。納品の1年後に実施する保証ドックでの検査までが保証範囲である。私も入社3年目に、長崎にある三菱重工のドッグに検査のために赴いたことがある。就航後1年経って検査のためドック入りしたあるタンカーに発生したプロペラのトラブルについての説明を船主にするためだ。プロペラの状態を見るためにプロペラの中心軸のところまでよじ登ったのだが、降りるのが難しくて苦労した。20万トンタンカーのプロペラの直径は約10メートルあるので、地上8メートルぐらいのところから転落しそうになったのだ。

 1年間の航海中に、その船のプロペラにはキャビテーションという現象で穴があいていた。私は修士論文でキャビテーションの研究をしただけだったのだが、一応その道のプロだったので船主の方に言った。

 「大丈夫です。この程度の損傷では性能に影響は出ません」。

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