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良い不当表示か悪い不当表示か、排気量をモノサシにするのはやめましょう

  • 浜田 基彦

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2010年7月23日(金)

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 「本当に難しかったのは技術そのものではない。マーケティング部門を説得することだった」。ドイツVolkswagen社で1.2リットル直噴ターボエンジン開発の指揮を執ったHermann Middendorf氏は笑う。

Hermann Middendorf氏。元々はディーゼルエンジンの設計者で、ディーゼルが大好き

 同氏が造ったのは“ダウンサイジングエンジン”と呼ばれるものである。排気量を思い切り小さくし、その代わりターボチャージャで思い切り空気を押し込む。プラスマイナスゼロで出力は普通。出力を狙った昔のターボ過給エンジンと違い、燃費を狙ったエンジンだ。ハイブリッド車より、燃費の改善シロが小さい代わり、価格、質量の負担も小さい。とっつきやすい省燃費車である。

 ダウンサイジングエンジンについて18ページの長い記事を書き終えたところである。技術誌である『日経Automotive Technology』には書きにくかった話があるので、ここに紹介する。

 Middendorf氏が言うマーケティング部門の抵抗というのは、イメージのことである。「排気量1.2リットル」というのは、響きがあまりにしょぼい。一緒に試乗会に行った自動車ジャーナリストさんが書いたものを読むと、動力性能を素直に評価している人がほとんどいない。「1.2リットルにしては」「1.2リットルとは思えないほど」「1.2リットルなのに」…。「1.2リットル」が頭にこびりついて離れないようだ。

1.2リットルのダウンサイジングエンジンを積んだドイツVolkswagen社の「ポロ」。ポロは元が1.4リットルだったからそれほど驚かないが、「ゴルフ」だと元が1.6リットルなので“ダウンサイジング感”が強い

 排気量が小さいという印象を弱めるためか、ドイツDaimler社は名前を一ひねりした。同社は排気量1.8リットルのダウンサイジングエンジンを開発して、メルセデスベンツ「Eクラス」「Cクラス」に積んだ。同社のクルマの名前は排気量をccで表示した数字の上3桁を並べることが多いので、素直には「E180」「C180」になるのだが、それをしなかった。Eクラスを「E250CGI」、Cクラスを「C200CGI」とした。

 実力相応なので何もやましいことはないのだが、「昔から数字は排気量を示すものだ」と考えている頑固者が見れば“不当表示”である。

コメント9件コメント/レビュー

まあ御説御尤もである。ただし燃費表示はいただけない。それこそ不正のやり放題だ。CO2排出量も要するに燃費表示だから同じことだろう。(そういえば昔某社のガソリン直噴エンジンが「燃費xx%アップ、そしてCO2xx%削減」と別々の項目のように宣伝していたのが可笑しかった。)各社ハイブリッド車のカタログスペックと実用燃費のことを考えるととても参考にできない。おっしゃる通り排気量は寸法だし、馬力やトルクはある程度ちゃんとベンチマークした数値だから信用してもよいかとは思うのだが…。もはや投影面積とか室内容積とかでクラス分けした方がよいんではないかとすら思う。(2010/07/24)

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いただいたコメント

まあ御説御尤もである。ただし燃費表示はいただけない。それこそ不正のやり放題だ。CO2排出量も要するに燃費表示だから同じことだろう。(そういえば昔某社のガソリン直噴エンジンが「燃費xx%アップ、そしてCO2xx%削減」と別々の項目のように宣伝していたのが可笑しかった。)各社ハイブリッド車のカタログスペックと実用燃費のことを考えるととても参考にできない。おっしゃる通り排気量は寸法だし、馬力やトルクはある程度ちゃんとベンチマークした数値だから信用してもよいかとは思うのだが…。もはや投影面積とか室内容積とかでクラス分けした方がよいんではないかとすら思う。(2010/07/24)

車名につけるのは、パワーウィトレシオやトルクウェイトレシオが良いように思います。全てを表す訳ではありませんが、運動性能を示すのに、より適切な表現になるからです。ちなみに税制は、排気量のままが宜しいではないでしょうか。ダウンサイジングエンジンの旨みも出ますし。しかし、エコカー補助金&減税の基準は良くないですね。空気を運ぶための重くて燃費の悪い車をエコロジー扱いしてはいけません。(2010/07/23)

本コラムの趣旨は、「メーカーは排気量信仰にとらわれない物作りを」ということかとおもいきや、「消費者は廃棄量信仰を捨てよう」というコラムなんですね。排気量信仰はメーカーと業界関係者と一部のマニアのものです。日本で売れている車の排気量を見れば、明らかだと思いますが。(2010/07/23)

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