6月18日に閣議決定された新成長戦略の中に「環境未来都市」構想がある。「スマートグリッド、再生可能エネルギー、次世代自動車を組み合わせた都市のエネルギーマネジメントシステムの構築、事業再編や関連産業の育成、再生可能エネルギーの総合的な利用拡大の施策を、環境モデル都市等から厳選された戦略的都市、地域に集中投入する」とある。いちばん新しいのは「集中投資」することだ。
これまでの施策はバラマキが多かった。環境モデル都市は13もあるし、スマートシティプロジェクトも4カ所で行われている。これで、本格的で新しい環境情報エネルギー社会システムが創造されるのだろうか。
この「環境未来都市」構想では、最後に「都市全体を輸出パッケージとして、アジア諸国との政府間提携を進める」ともある。
パイロットプロジェクトと位置づけ、成功させることが必要
「環境未来都市」はスマートシティとも言う。世界中で環境都市づくりの競争が始まっている。先進国以外でこのプロジェクトを強力に進めているのは中国である。地球環境を守り人類を持続可能にするのが最大のテーマだ。別の角度から見ると、環境に適合したエネルギーと情報を統合した革新的な都市や地域をつくることが大きなビジネスチャンスになっているということだ。
日本もこの環境都市をつくるビジネスの競争に勝たなければならない。つまり「環境未来都市」構想は、環境都市システムづくりの国際競争を勝ち抜くためのプロトタイプを国内につくるプロジェクトと考えるべきなのだ。新幹線のシステムを海外に輸出することができるのは、50年近く前に東海道新幹線のプロジェクトを国内で成功させたからだ。
スマートシティ:“ソリューション”を集めても“システム”はつくれない
これまで国内で行われてきた環境プロジェクトの最大の問題点は、それらがまるで公共事業のように行われてきたことだ。環境モデル都市もスマートシティもそうだ。急速充電スタンドづくりにも既に20億円以上の国費を使っている。にもかかわらず、それらがどのような効果を生み出したのかは分からずじまいだ。場合によっては、これまでの環境プロジェクト投資の費用対効果は低いまま。これでは国際競争に勝てない。
横浜、豊田、関西、北九州の4つのスマートシティプロジェクトも心もとない。電気自動車や太陽電池は、日本の他の地域よりも普及するだろう。だが「新しいエネルギーと情報で進化した」環境未来都市の全体図が見えてこない。
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