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JALに学ぶ「経営危機における情報システム投資法」

抱えたままか、外部委託か、過去のしがらみをどう断ち切る?

  • 谷島 宣之

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2010年8月5日(木)

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 情報システムについて経営者が悩むことの1つはお金である。いったい、どの程度までカネをかけるのが妥当なのか。しっかり利益が出ていたとしても情報システム費をむやみに増やすわけにはいかない。赤字になれば情報システム費は広告宣伝費と並んで真っ先に削減対象になる。

 それでは1兆円近い債務超過に陥った企業は、情報システムについてどう考えたらよいだろうか。

 1兆円近い債務超過に陥った企業とは、日本航空(JAL)である。同社は8月末を期限として再建計画を策定中であり、その中に情報システムに関する見直しも含まれる。日本経済新聞は6月、JALが情報システムの開発と運用体制を再検討し、日本IBMへのアウトソーシングを見直す、と一面で報じていた。

 正式な再建計画の中で、JALが日経が報じたような見直しをするかどうか、本稿を執筆している段階ではまだ分からない。その段階であえて書く理由は、JALの再建計画策定や日経報道をきっかけにして、JAL以外の企業の経営者の方々に、情報システムのマネジメントについて今一度考えてほしいと思ったからである。

あなたがJAL経営者ならどうしますか?

 アウトソーシングの見直しが事実であるなら、1面に掲載してもそれほどおかしくはない。JALが日本IBMと締結したアウトソーシングは、情報システムを担当していたJAL子会社の株式売却まで含む大がかりなものだったからだ。

 JALは日本IBMとアウトソーシング契約を結ぶにあたり、情報システム子会社であったJALインフォテックの株式の51%を日本IBMに売却し、JALインフォテックの社長に日本IBM出身者を受け入れた。JALは情報システムの開発や運用業務を日本IBMに委託し、日本IBMは自社の要員やJALインフォテック社員を使って、開発や運用業務を遂行してきた。

 日経報道によれば、日本IBMに支払うアウトソーシング料が高額なのでJALは見直しを検討しているという。債務超過になっている以上、徹底したコストダウンは不可避であり、日本IBMへのアウトソーシング料が高いのであれば見直さざるを得ないが、話は単純ではない。

 日本IBMとの契約を切り、自力で、つまりJALとJALインフォテックだけで情報システムを開発し運用していくのか。日本IBMより安く請け負ってくれる企業を探し、その企業にアウトソーシングするのか。あるいは、パッケージソフトのような出来合いの市販製品を使えば安くできるのだろうか。

そもそも、なぜアウトソーシングに踏み切ったのか

 競争入札をして開発や運用を担当する企業をそのつど決めれば一見安くできそうだが、長く付き合ってきた日本IBMが開発や運用の実態を一番良く把握しており、入札においても有利であろう。強引に日本IBM以外の企業に委託しても、どういうシステムを作るかを決める要件定義という作業や、既存情報システムの運用について、日本IBMから助言を得る必要が出てくるかも知れない。

 パッケージソフトを使うにしても、何を選び、どの業務に適用するのか、という知恵がなければ意味がない。この知恵を持っているのも今のところ日本IBMになってしまう。するとコンサルティング費用を日本IBMに払うことになりかねず、全体として安くできるかどうか分からない。

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