• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

スマートフォンが招くインフラ地殻変動の兆し

2010年後半の潮流を探る《前編》

  • クロサカ タツヤ

バックナンバー

2010年8月5日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 早いもので、2010年も既に8月に入ってしまった。以前から再三触れているように、今年を挟んだ前後2年程度は、ケータイに限らず情報通信の世界の激変期を迎えているのだが、それを証明するかの如き激しい動きが、日本はもちろん世界的にも続いている。

 先日も日本経済新聞で「周波数オークションの導入に向けた検討着手」という報道がなされた。またマルチメディア放送を巡るNTTドコモ陣営(マルチメディア放送[mmbi])とKDDI陣営(メディアフロー企画)の火花を散らす「バトル」も、あちこちで触れられている通り。また海外に目を向ければ、本連載でも取り上げてきたように大型M&A(合併・買収)や事業売却が進んでおり、日本もその中のプレーヤーかつ市場として渦中の存在となっている。

 一方、こうした激動の結果、いくつか雌雄が見えてきたこともある。今回と次回は、そのいくつかの動きを取り上げながら、2010年後半以降の潮流を検討してみたい。

「主流はLTE」がはっきりした

 まず、現世代(日本では3G)に代わる、ケータイの次世代規格について。これは概ねLTE(ロングタームエボリューション、3.9G規格)に収束したと言えよう。以前から指摘してきたことだが、この流れは昨年末から顕在化しつつあり、2月にスペイン・バルセロナで開催されたケータイ産業の世界的な展示会「モバイル・ワールド・コングレス」でも既にコンセンサスになりつつあった。この動きが日本にも正常に波及した、ということである。

 この次世代規格の地位を争っていた規格の1つに、モバイルWiMAXがある。日本ではUQコミュニケーションズが商用化しており、テレビコマーシャルや通勤電車内の広告などでもお馴染みだろう。残念ながら市場導入はあまり芳しくない状況ではあるが、モバイルWiMAX自体は半導体大手の米インテルが世界的に支援していることもあり、ノートパソコンなどへの組み込みも進んでいることから、特定の市場分野もしくはLTEの補完的な位置づけをうかがいながら、当面サービスが進むことになるだろう。

 一方、こうしたモバイルWiMAXやウィルコムが開発したXGPなどの高速データ通信規格が、TD-LTEと呼ばれるLTEの流派の1つと技術的に親和性があることは、前回(「“ノキア・シーメンス+モトローラ”の衝撃」)に説明した通り。TD-LTE自体が中国を中心に世界的な盛り上がりを見せ始めつつあることから、各規格が共通して採用しているTDD(時分割複信)の陣営として呉越同舟する可能性も否定できない。

 こうなるとLTEという括りでは「花盛り」ということになっていくが、実際にはここまでITU-Rでそれぞれ別の規格として標準化されていること、またそれを受けて日本でもそれぞれの規格を前提として免許交付されていることなどから、規制当局が今後どのように対応するかは定かでない。

 また、現世代(3G)とLTE(3.9G)の間を埋める技術として、HSPA+(3.5G)といったアップグレード版規格も存在する。こちらは現世代インフラとの親和性が高いことから、低コストでインフラを進化させることができるため、設備投資余力に限界のある事業者などからの注目を集めている。とはいえ、次世代規格が急速にLTEに絞られた背景に、スマートフォン利用をはじめとしたトラフィックの急激な膨張があり、もはや3.5G技術はその場しのぎに過ぎないため結果的に「ムダ金」になるという声も通信事業者からは聞かれ始めているのも事実。裏返せば、そのくらいLTEへの動きは加速しつつある、ということだ。

LTEにどうたどり着くかが課題

 以上をまとめると、次世代規格は概ねLTEで安泰、ということになりそうだ。ただ、大勢としてはそう言えるのだが、筆者は必ずしも状況を楽観視していない。というのは、LTEのスループットが「夢の高速無線通信」と喧伝されているほどには、少なくともサービスイン当初は期待できないからだ。その理由は、利用できる周波数帯域。

 どんな無線通信規格であっても、1回の通信に多くの周波数帯域を利用できれば、それだけ一度に転送できる情報量が増えるので、品質は向上する。反対に帯域が狭ければ、品質向上には限界がある。端的に言えば、道幅と交通量、川幅と流量の関係に似たような話である。

コメント1

「クロサカタツヤのケータイ産業解体新書」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員