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本命は「オフロード」と「インターネット」

2010年後半の潮流を探る《中編》

  • クロサカ タツヤ

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2010年8月19日(木)

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 前回は、次世代(3.9G)のケータイ通信規格が、概ねLTE(ロングタームエボリューション)に収束しつつあること、またそうしたモバイルブロードバンドの普及においてスマートフォンが果たす役割について整理した。しかし「スマートフォンによる夢のモバイルブロードバンド」といった世界を、LTEが本当に実現し、支えられるのか、業界には早くも疑問視する声もある。そこで今回は、「オフロード」というキーワードを軸に、予想される今後の通信インフラの実像を検討する。

LTEは需給ギャップ解消の切り札か?

 スマートフォンの台頭は先進国を中心に大きな伸びを見せ始めている。そしてそれに伴い、通信インフラの容量逼迫という問題が、あちこちで顕在化している。ソフトバンクモバイル(以下、SBM)は既にデータARPU(契約当たり月間平均収入)が音声ARPUを逆転する状況にある。また米国で米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けの通信サービスを提供するAT&Tワイヤレスも、そのインフラの不足や脆弱性があちこちで指摘されている。

 こうした、スマートフォンによるトラフィックの激増と、それに伴う通信インフラの不足という需給ギャップを、根本的に改善する切り札として、LTEの普及が期待されている。巷で喧伝されている通り、LTEが従来の3G技術から飛躍的な発展を見せるのであれば、その普及によって需給ギャップは当面解消されることになる。

 しかし端的に言って、LTEでは少なくとも当面の間、需給ギャップ解消には至らない、というのが筆者の見解だ。前回も触れた通り、LTEのスループットは割り当てられる周波数帯域の関係上、当面はせいぜい10Mbpsを下回る程度と、安価なADSL程度と考えられるからだ。つまり、LTEによる供給増加では到底賄えないほど、需要が爆発する可能性があるということだ。

 既にその萌芽はあちこちに見え隠れしている。例えば米グーグルの「YouTube(ユーチューブ)」が先日から4K(フルHDの4.5倍以上の品質)の動画配信をサポートし始めた。コンテンツが出揃っていないことや高度な再生環境が必要なことから、まだそれほど話題になってはいないが、表示技術と伝送技術の両方の観点から、これは相当な衝撃である。仮にこのサービスをケータイ環境下で受けようとしても、現状ではこんな代物はそもそも扱えない。

 ところが、そうしたケータイ環境側の事情など構うことなく、超高品質コンテンツはとっくに日常のものになっている。件のYouTubeとて、4Kとは言わないにせよ、気がつけばHD品質の動画だらけになっているし、そもそも家庭にも大画面HDテレビの普及も近年急速に進んでいる。

 そして一度こうした画像に見慣れてしまうと、ケータイワンセグ放送などの画質レベルでは粗く感じられてしまい、よほど見たいコンテンツであれば何とか我慢するという人は少なくないだろう。私たち人間の視覚が優れていて、日常的に目に飛び込んでくる映像が常に高品質であることから、映像技術に対する要求水準はまだまだ高まると考えるべきだろう。

 もちろんこうした動きがすべてを規定するというわけではない。しかし利用者からすればわずかな空き時間に楽しむ動画コンテンツのつもりでも、通信インフラにとっては帯域のすべてを食いつぶす代物となる可能性は十分にある。そして既に私たちが光ファイバーと高速無線LANという「LTEを上回るリッチな環境」によって高品質体験を身近なものとしている以上、それがモバイル環境に押し寄せるのは時間の問題ということになり、需給ギャップはまたぞろ解消不可能ということになる。

「無線LAN+固定ブロードバンド」の可能性

 では、どうすれば需給ギャップを解消できるのか。「LTEのさらにその先にある4G技術(Advanced-LTEなど)だ」と言う声も業界には聞こえ始めているが、筆者はケータイが「オフロード」と「インターネット」をどう取り込むか、に当面の現実解があると思っている。

 オフロードとは、負荷(ロード)を下ろすという意味で、無線通信の世界においては、本来のルートからバイパスする形で別のルートにトラフィックを流すことを意味する。本線の品質や容量が低品質で、バイパスを経由しなければ需要を満たせない時に用いられるアプローチである。

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