8月16日に厚生労働省により、2009年度の医療費が過去最高を更新して35兆3000億円であったことが公表された。これは前年度と比較して、金額にして1兆2000億円、割合では3.5%の増加である。
昨今、様々なメディアでも論じられているように日本の医療費は高齢化の影響を受け、増加の一途にある。2006年に厚労省が発表した予測によると、高齢化の進展により、日本の医療費は 2015年には44兆円、2025年には実に56兆円に達するとも言われている。 こうした状況において、政府は医療費抑制を目的として様々な政策を行っている。
その1つとして注目されていたのが、2008年4月から開始された特定健康診査(特定検診)、いわゆるメタボ検診だ。特定健診とは、40歳から74歳までの医療保険加入者(被保険者・被扶養者)に対して、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)のリスクを判断するため、特定項目の健診を行い、その結果に基づく改善指導(特定保健指導)を義務化するものである。行政としては、1960万人存在する(平成16年度国民健康、栄養調査)と言われるメタボ予備軍を、早期発見・改善することで、増加の一途をたどる国民医療費の抑制を狙っている。
ネットを使った健康管理サービス続々
行政での取り組みが進む一方で、健康関連の商品や健康管理をテーマとしたテレビ番組や書籍などは高い人気を誇っており、消費者サイドでの健康管理への意識は確実に高まってきていると考えられる。
こうした中、インターネットを活用して消費者に対して健康管理サービスを提供する事業者が数年前から続々と見られるようになってきた。インターネットで医療機関や健康に関する情報を検索するといった情報収集としての活用に加え、ネットを介して医師などの専門家に相談を行ったり、自分の健康に関するデータを確認したりするといったサービスも増え始めている。
今回は、こうしたインターネットを活用した健康管理サービスに対する消費者の利用実態や利用意向について、2010年8月に野村総合研究所(NRI)が実施したウェブアンケートを基に分析を行う。そのうえで、インターネットを活用した健康管理サービスの今後の本格的な普及を占うためのポイントについて述べていくことにする。
健康面の悩みや知りたい内容は個人によって異なり、あらかじめ定型の回答を用意しておけばよいというものではない。また、個人の健康状態に関する情報はプライベートな内容を含み、対面では相談しにくいという懸念や、医者に行くほどではないが気になるなど気軽に相談したいというニーズも存在する。インターネットを活用することで、例えば次のような事柄について、利用者にメリットを提供できる。
(1)不特定多数の消費者と専門家の間でタイムリーに双方向でのやりとりができる
(2)豊富なコンテンツから消費者が好みの内容を選んで閲覧できる
(3)匿名で気軽にコミュニケーションを取る
こうしたメリットを背景に、インターネットを活用した様々な健康管理サービスが登場してきた。代表的なパターンをまとめると、以下のようになる。
インターネットを活用した健康管理サービスの代表的なパターン
| 1.双方向型サービス | 2.情報提供型サービス | 3.個人完結型サービス | |
|---|---|---|---|
| サービス分類 | |||
| サービス事例 | ●病気や健康管理(食事・運動・その他)に関する相談ができる専門サイト | ●医療機関の場所・連絡先や口コミ情報の検索サービス ●病気や薬に関する情報を提供する専門サイト ●「Yahoo!知恵袋」や「教えて!goo」、掲示板などの健康関連に限定しないインターネット質問サービス ●健保組合や自治体経由で提供されている健康管理ポータルサイト |
●ウェブサイトに自分の健康情報(体重・実施した運動・食事など)を自ら登録・閲覧する専門サイト ●ウェブサイトに自分の健康情報(体重・実施した運動・食事など)を機器(体重計や歩数計・携帯電話など)を介して登録・閲覧する専門サイト |
| 主な収益モデル | ●ユーザーからの会員料金徴収 ●企業からの広告料金徴収 |
●企業からの広告料金徴収 ●ユーザーからの会員料金徴収 ●健保組合などからの料金聴衆 |
●ユーザーからの会員料金徴収 ●関連製品(健康食品・健康関連機器など)の販売 |
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野村総合研究所情報・通信コンサルティング部主任コンサルタント。専門は、情報通信分野(通信、情報システム産業、健康及び医療関連情報サービスなど)における事業戦略およびマーケティング戦略など。主な共著書に『







