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顧客と社員の「使いたい」要望が導入を後押し

積極導入する米国企業活用リポート

2010年9月16日(木)

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 米国では、企業がiPadを積極的に採用する例が増えている。セキュリティーなどの点でまだ不安がささやかれはしているものの、それを超えて取材を通してよく聞かれたのが、「自分のために買ったiPadを、仕事でも使いたい」という社員の要望が強くなっているということだ。

 ビジネスでのiPad利用を調査しているフォレスター・リサーチのテッド・シャドラー氏は、これを「社員先導型」と説明する。そうした社員は会社側が与えるコンピューターに飽き足らず、自分のデバイスを持ち込んで仕事に使おうとする。特に若い層でそれが顕著だと言われる。企業内のIT管理担当者は、それに合わせてセキュリティーやシステムを作り替える必要に迫られるという流れだ。

 シャドラー氏は、iPadではこの傾向が特に強くなっていると見る。購入したiPadについて「会社側は代金を払い戻したりすることもあるようですが、やり方はさまざま。通信費だけ会社持ちというケースもあります」。

 問題は、会社の仕事で使う重要なデータを、個人のエンターテインメントに使うアプリケーションやコンテンツと、どううまく区別するのか、という点だ。確実なセキュリティーの壁があるのか、社員はつい混乱したりしないのか。いろいろな疑問が未解決のままだが、顧客の間で人気のデバイスを無視するわけにはいかないと、社内での試用に踏み切るケースも多い。
企業はどのようにiPadを業務に取り入れているのだろうか。その様子をレポートした。

150年の歴史を持つ銀行で積極導入

 サンフランシスコに本社を持つウェルズ・ファーゴは、150年以上の歴史を持つ名門銀行。西部開拓時代を彷彿とさせる馬車のロゴマークでよく知られている。

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 だが、サンフランシスコ市内のビル内の3つのフロアーを占める同行ホールセール業務インターネット技術開発部門では、そんな格式はそっちのけで、およそ1000人の社員がカジュアルな服装でコンピューターに向かっている。まるでシリコンバレーの新興企業のように、社内には飲み物やスナックを用意したコーナーもあり、使用されているデスクや椅子も銀行には似つかわしくないカジュアルなものだ。

 ここでは、4月の発売日当日に15台のiPadが社員に支給された。現在その数は100台以上。会社側から配られるものだけでなく、自分で購入した社員も少なくない。

 「顧客がどうやって口座にアクセスしたくなるものか、開発を行うわれわれとしては、新しいデバイスをいち早く手に入れ、それを知る必要があります」と語るのは、ホールセール業務インターネットおよび財務ソリューション部上級副社長、ミーガン・ミニッチ氏だ。彼女をはじめ、同インターネット・サービス部上級副社長のサデシュナ・ラハ氏、そして同技術開発担当の上級副社長ビピン・サーニ氏ら3人は、同社のiPad導入を強く働きかけてきた中心人物だ。

 ホールセール業務は、企業や政府関連機関などを顧客として銀行サービスを提供する。個人顧客と同様、ホールセール分野でも顧客のコンピューターやモバイル機器によるアクセスが進んでおり、ウェルズ・ファーゴではすでにブラックベリーやiPhone向けのアプリを開発済みだ。

 顧客が利用するのは商業用電子オフィス(CEO)というサービスで、ブラウザーベースのポータルとモバイル向けのアプリがある。同行ホールセール業務の顧客の7割以上である5万社が、すでにこのポータルを利用しているという。

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iPhoneとiPadからの利用方法の違いも調査

 iPad用のアプリは現在開発中だが、iPhoneアプリをそのままiPadから利用している顧客も見られる。ここでは、そうした利用の違いも調査し、今後の開発に活かそうとしている。

 「スマートフォンではすばやくできる用件を済ませ、口座の情報をゆっくり見たいといった場合にはiPadを利用しているようです」とミニッチ氏。さらに、マウスのクリックと指のタッピングでは利用がどう異なるのか、iPadの登場によってさらにどんな機能が顧客から求められるのかなども、詳しく調べているところだという。

 企業顧客が口座取引や口座管理といった“真剣な”作業を、果たしてモバイル機器でやりたいものなのかについては、当初社内でも議論があったという。iPadが出てからは、個人向けのエンターテインメント鑑賞と会社の口座取引が同じデバイスで行われるべきかどうかが問題になった。

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「顧客と社員の「使いたい」要望が導入を後押し」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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