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遅ればせながら「キザシ」恐るべし

技術的に見どころ満載で、評価もじわっと定着

  • 浜田 基彦

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2010年8月27日(金)

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 スズキの乗用車「キザシ」が米国の調査会社であるオートパシフィック社の「最も理想的な車賞」のうち中型乗用車、全乗用車の2部門で1位になった(図1)。「どんな賞なんだ」という印象はあるのだが、あえて食いつくことにする。キザシを紹介するきっかけが欲しかったからだ。

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 キザシは2009年、「東京モーターショー」のブースで“さりげなく”登場した。日本では受注生産ということもあり、売り込もうという熱意が感じられなかった。発表もそっけなく、技術の内容も明かさない。『日経Automowive Technology』でも大きく取り扱うことができなかった。

 その後、競合他社や部品メーカーへの取材、展示会などを通じて、次第に凄さが分かってきた。しかし、それぞれの技術をバラバラに紹介するしかなかった。キザシを主役にするには発売から日が経ち過ぎていた。“謙虚な実力者”に、凡人が振り回された格好だ。

棒っきれにしか見えないサスペンションアーム

 キザシが採用した技術的なポイントを3点選んで紹介する。Al(アルミニウム)合金押し出し材の後輪サスペンションアーム、フードのレーザろう付け、Al板でできた遮熱板の3点である。

 まずアーム。キザシのアームは、見た目はただの押し出し材の棒っきれである(図2)。普通、サスペンションのアームには、ばねが当たる「座」がある。その部分が膨らんでおり、一目でサスペンションアームと分かる(図3)。それと比べて「しょぼい」と思ってはいけない。機能さえしっかり果たせば、形は単純な方がいい。造りやすいし、軽くできる。この話は『日経Automowive Technology』の9月号に簡単に紹介した。

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 普通、ばねの端は「座巻き」と言って、1周分は平らになるように巻く。平らな部分がほかの部品と密着し、押し合って機能する。軽くしようという要求が高まるにつれ、これが許されなくなってきた。ばねとしての機能をしない部分にばね1巻き分、上下にあれば2巻き分の鋼線を余計に使う。どうしても重くなる。

 そこで、ピッグテールばねという技術が広がってきた。豚の尻尾のようにクルッと巻いて終わり。座巻きはなしで、ばねの両端は1本の鋼線になる。座巻きのあるばねが面と面をつないでいたのに対し、ピッグテールばねは点と点をつなぐ。それだけに使いこなしは難しい。座巻きのあるばねは、ばねの中心軸に沿って伸縮する棒と考えればよい。ところがピッグテールばねは伸縮するにつれて両端の鋼線が力を出す方向がどんどん変わるので、それを見込んで設計する必要がある。

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