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私が考えるリーダーの条件10カ条

日本の最大の問題はリーダーの不在だ

  • 宮田 秀明

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2010年9月10日(金)

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 芸術家は経済や政治のことに無頓着なのかというとそうでもない。結局夏休みを2日しか取れないまま8月も終わりに近づいたある日、行きつけの舶来居酒屋「天井桟敷の人々」にほんの30分寄ったとき、店員のK君、芸大油絵科の3年生に聞いてみた。

 「もし菅さんと小沢さんの対決になったらどちらがいいと思う?」

 いつもは感動が創造する芸術、感動の大切さなどを議論しているのだが、珍しくこの日は政治がテーマだった。政治つまり国の経営がかなり厳しい状況だということは、芸大生を含むすべての国民が感じている。

 K君の答えがこうだった。
「まぁ菅さんですけどね。まぁ消去法の結果といった感じですね。」

 彼の気持ちを代弁すれば、小沢さんは彼の目に、国の本当の価値創造から縁遠いことしかできない人と映っている。何十年も前の政党間や派閥間の駆け引き。いろいろな利権との複雑な絡み。選挙目当ての目潰しを国民に与えるようなバラマキの政策。こうした“政策”から成り立っている政治を行う人なわけだ。「子供手当ては大切だ。やはり国民は現金でもらうのを喜ぶだろう」などと言われては、余りの勉強不足にあきれてしまう。防衛問題でも、円高問題でも、彼の発言の乱暴さに、国の危険を思ってしまう。

 菅さんは賢そうだと思っていたのだが、経済は分からないようだ。ほとんど万年野党の議員だったので、責任とリスクを取って経営するという、国の経営者にとっていちばん大切な能力がまだ備わっていないのではないか。こんな評価を一般的な国民は下しているようだ。先の参院選で唐突に消費税率の引き上げを取り上げてしまったのは一例だろう。民主党の方々は万年野党生活が長かったので、批判する力は育ったのだろうが、日本を経営する力がないようだ。もっとも自民党も官僚に丸投げの政治を行っていたので大同小異かもしれない。

首相には、責任とリスクを取る経験が必要

 現在の日本で最も憂鬱なことは国の経営者がいないことだ。

 そもそも小選挙区で選ばれた衆議院議員の中から一国の経営者を選ぶことには限界があるかもしれない。米国では州知事経験者が大統領になるケースが多い。同じような仕組みは近隣の韓国や中国にもある。地方行政で人を動かし、責任とリスクを取る経験を積んで大きく成長した人の中から中央行政を経営する人を選ぶのだ。

 もっとドラスティックな案は民間人を首相にすることだ。もう数年前のことだが、「日産のゴーン社長に首相になってもらった方がいいんじゃないか」という意見さえあった。ゴーンさんでなくても日本の企業経営者のうち100人ぐらいは、すべての衆議院議員より経営力があるばかりでなく、日本を背負う担力を持っている方がおられると思う。

 一国の経営者を選ぶ仕組みは、韓国の方がはるかに優れていると思う。例えば今の李明博大統領は民間企業経営者出身だ。先日首相候補に推薦され、残念なことに辞退した48歳の金台鎬さんは慶尚南道知事の経験がある。金さんは過去の不正資金疑惑を指摘され辞退したようだが、韓国にとっては損失だと思う。

 3年前、慶尚南道が中心となって開催した韓国の海洋発展のためのイベントに招待され、金知事とお話をした。40代と若いだけでなく強いオーラを発していて、彼の大きさを感じることができた。人の意見をじっくり聞く人でもあるし、「10人の優秀なスタッフが居れば国を変えられる」と言う人でもある。貧しい農家の出身なのだが、大きな人だ。日本の政治家にはこんな人は一人もいないと思う。

日本のリーダーは行動しない

 現在の日本の最大の問題はリーダーが不在なことだと思う。例えば、実態を反映していない異状な円高に対して、首相も財務相も日銀総裁もほとんど後手しか引けないと市場に見抜かれてしまっているのかもしれない。決断力と行動力はリーダーに不可欠のものなのに。

 円高対策では、効果を推し量ることも大切だが、それ以上に必死に打開しようとする行動力が大切だと思う。世の中は非線形で複雑で難しいからこそ行動力が大切なのだ。最初から諦めていては、良いことは何も発生しない。

コメント10件コメント/レビュー

民間の経営者が、公共の政府の「運営」もできるという勘違いはやめて欲しい。別の資質が必要であるから、両方できる人もいれば、片方しかできない人もいる。多くは両方できないのである。(2010/09/12)

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民間の経営者が、公共の政府の「運営」もできるという勘違いはやめて欲しい。別の資質が必要であるから、両方できる人もいれば、片方しかできない人もいる。多くは両方できないのである。(2010/09/12)

いろいろお考えになって10か条を書かれたかと思います。しかし皮肉ではありませんが”居酒屋談話”を超えていません。リーダー不在は誰もが実感しています。ではどうしたらそのようなリーダーが育てられるのか、今リーダーとして誰が適しているのか、経営の設計学らしく科学的論拠に基づいてお示しいただくと説得力があると思います。(2010/09/11)

"原因がリーダー不在だ"というのには反対です。小泉氏のようにファッショ的リーダーが生まれやすい土壌も日本にはあります。またリーダーの10ヶ条に、"ボトムアップのアイデアを整理して活用する"という類が入っていないようにお見受けするのも残念です。どんなに優秀なリーダーがいても、集合知には敵いません。人口が多いという特徴を活かすには、"アイデアが腐らない"仕組みが、最も大事な基盤だということに、気付いて下さればと思います。(2010/09/11)

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