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世界で“ガラパゴス化”するアップル

パッド型市場は夜明けを迎えたばかり

  • 小林 慎和

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2010年9月16日(木)

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 日本メーカーの製品は海外では売れない。スペック的には非常に高機能かつ高品質であるにも関わらず。日本という特殊な市場にのみ適用してしまった結果、世界では受け入れられなくなっている。そうした状況を、独自の生態系を反映させて栄えるガラパゴス諸島に見立て、日本はガラパゴス化していると多くの人が問題提起をしている。

 ガラパゴスで何が悪いのか――。

 スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」やパッド型端末「iPad(アイパッド)」を擁する米アップルは、そうした意味では世界でガラパゴス化している。米アドビシステムズの動画技術「Flash(フラッシュ)」は動かない(ただし、2010年9月9日、アップルは開発規制を緩和する計画を発表している)。基本的に1カ国1つの通信事業者にしか提供しない。ダウンロードサービス「App Store(アップストア)」でアプリを販売するためには、アップルによる「検閲」をクリアしなければ売り出すことすらできない。まさにガラパゴスである。

 日本メーカーのことを、ガラパゴス症候群と呼ぶことは、負け犬の遠吠えに聞こえる。どのような特殊な端末・サービスであれ、世界展開に成功すればいいわけである。ガラパゴス=負け犬ではないのだ。

 ゲーム機「ニンテンドーDS(以下、DS)」や「Wii(ウィー)」を世界で提供する任天堂はガラパゴスか。誰もそうは言わない。違法行為を行わない限り、DSのソフトはDSでしか、WiiのソフトはWiiでしか動かない。2画面という特殊な形状のDS。棒状のコントローラーを振るという特殊な操作のWii。十分すぎるほどガラパゴスの要素を持っている。任天堂も、世界でガラパゴス化しているのだ。

 世界で売れない携帯電話。どんどんとシェアが韓国勢、中国勢メーカーに奪われるテレビをはじめとする家電製品・・・。「ガラパゴスからの脱却が必要だ」「世界標準に合わせることが肝要だ」。こうした弱気の姿勢は、ぜひとも日本メーカーには避けてもらいたい。特殊だがイノベーションある製品・サービスを開発し、それを全世界でガラパゴス化するほどに普及させる。日本のイノベーションが世界標準となる。それこそが日本のメーカーが目指すべき姿ではないだろうか。

iPadは、まだ単なる「ヒット」

 そんな示唆をもたらしてくれるiPadの可能性を、もう少し深く見ていこう。発売後80日間で300万台を全世界で販売したことが話題になった。だが、そもそも、この売れ行きは、「大ヒット」なのだろうか。

 筆者は、iPadはまだ、単なる「ヒット」に過ぎないと見ている。その理由をこれまでの一般的に大ヒットと呼ばれているほかの製品と比べてみることで明らかにしよう。

 まずは携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」。iPod、iPod mini(アイポッド・ミニ)、iPod nano(アイポッド・ナノ)、iPod touch(アイポッド・タッチ)など様々なシリーズが発売され、それぞれX世代と呼ばれ、続々と後継機が出ている。もはや何機種出たのか、把握している人は少ないが、それらすべてをひっくるめてiPodとして考えたい。

 iPodが発売されたのは、2001年10月24日。Macintoch(マッキントッシュ)専用のデジタルオーディオプレーヤーとしてであった。それから2003年にはWindows(ウィンドウズ)に対応し、ようやく普及が始まる。100万台を突破したのは、2003年末であり、約2年間を要している。その1年後の2004年末、つまり発売から3年で1000万台を突破した。

 出だしこそ華々しい売り上げはないものの、その後は着実に全世界で売れ続けた。2005年は3000万台。2006年は4000万台。2007年は5000万台。毎年4000万~5000万台、売れ続けた。現時点、発売から9年弱での累計出荷台数は全世界2億6000万台を超えている。

 一方、iPadの現在の速度は年間換算ベースで、世界で1300万台ほど。iPodの4分の1程度なのである。

 DSはどうであろう。意外にも全世界でDSが初めに売り出されたのは日本ではない。日本では2004年12月2日であるのに対して、米国では2週間ほど早い2004年11月21日に発売されている。DSは2004年末、つまり発売から1カ月足らずで280万台を突破している。出始めた当初から、スマッシュヒットを記録したわけである。iPadは300万台売れるのに80日を要したことと比べれば、それよりも50日程度早い。

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