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経産省の「スマートコミュニティー実証実験事業」に期待

スマートコミュニティーの設計力が雇用と産業成長の核になる

  • 宮田 秀明

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2010年10月1日(金)

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 この9月初めに、国内スマートコミュニティー実証実験がようやくスタートした。今年から2014年度までの5年間に横浜、豊田、けいはんな、北九州の4地域でスマートコミュニティーの構築実験をするプロジェクトだ。経産省が発表したこの事業の説明資料を見て驚いた。

 これまでの事業計画は大げさに言えば一種の漫画みたいなものだった。太陽電池を○○メガワット、電気自動車を○○○台導入すればスマートコミュニティーができるかのような説明だった。エネルギー社会システムをこんな足し算の設計で築くことはできない。もし、その足し算作業による設計を許すならば、設計力も育たないだろうと思っていた。スマートコミュニティーの設計は難しい。コミュニティーの置かれた環境条件もそのコミュニティーの住民の生活(電力消費)も多様で変化するものだからだ。

 改めて具体案を提示した「スマートコミュニティー実証実験事業」は今年から2015年までの事業計画を示している。しかし、具体的に示しているのは2010年度の計画で2011年度以降は改めて体制を構築することになっているようだ。

 そして今年度重点的に行うのは蓄電池システム開発・実証と地域エネルギー・マネジメントシステム開発事業である。「二次電池社会システムイノベーション」の活動を通して、過去2年間に私たちが主張してきたことが全面的に取り入れられていると言っていいだろう。

1. 二次電池によって電気をためることができるようになることはパラダイムシフトであり、これが産業革命のような変革と進歩を起こすだろう。
2. 電気を貯められるということが、電気の経営法に大きな進化をもたらす。このため、二次電池によって電気エネルギーを経営することがスマートグリッド社会システムの中核になるだろう。

 この2つのオピニオンを発信し続けて、早くも2年が過ぎた。そのうちに要素技術の一つである太陽電池は性能向上が進み、リチウムイオン電池は車載用の量産が始まった。正しい大きな流れが実際に流れ始めたのだ。

 2年前、20年にわたってリチウムイオン電池を開発改良した二次電池のパイオニアたちと東大の私たちが協働して、電気自動車の普及とリチウムイオン電池の定置利用とリチウムイオン電池の社会財化の可能性を追求する活動を開始した。このとき、私たちの提案に賛同してくださる企業の方々のエネルギーは大きかった。そして今、スマートコミュニティーのナショナル・プロジェクトも、蓄電複合システムと電気エネルギー・マネジメントシステムの果す役割の大きさを認めるようになった。

“バラマキ”には懸念

 しかし課題も多い。2010年度の技術開発は4つの市のプロジェクトと基礎技術開発から構成されていて30ぐらいのプロジェクトに細分されているのだが、それらの内容はお互いに類似点が多すぎる。例えば蓄電池を使ったエネルギーマネジメントに類するプロジェクトは小さなものが10ぐらいあり、いろいろな企業に任すことになっている。一言で言えば、バラマキである。大きな成果を期待するのは難しいだろう。

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