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目利きを外国人に任せる「ジャパンクール」なECサイトが示すもの

消費者の力を、思いっきり活用するクラウド時代が到来する

  • 小林 慎和

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2010年10月7日(木)

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 クラウドの時代。あらゆるものが向こう側のデータサーバーに蓄積される。蓄積されたデータは、いくつものCPU(中央演算処理装置)によって音もなく分析され、それに基づいて、今この瞬間にも私たちの手元に広告やクーポンなど様々な情報が届けられる。

 すべてをコンピューターがやってのけるようになってしまうのか。どこまで自動化されていくのか。ウェブビジネスの場合、こうした傾向が顕著だ。そして、それを考えていると空恐ろしい気分になってくる。

 今回は、その逆の話をしてみたい。つまり、どういうことであったら人間に頼るのか。いや、人間に頼ったほうがよっぽど速さも質も良い。そんな事例である。

“Japan Cool”を世界に売り出す試み

 “Tokyo Kawaii”、“Japan Cool”。この2つは、実は世界では相当な市民権を得ている言葉である。特にフランスでは、Kawaii(かわいい)がそのまま通じる。これが“cute”という意味であることを、多くのフランス人が知っている。ただ、フランス人からすると、「Kawaiiとcuteは微妙にニュアンスや感触が違う」というのだ。それゆえ、Kawaiiという言葉が市民権を得た。

 こうしたTokyo KawaiiやJapan Coolを活用したウェブサイトが立ち上がっている。「FLUTTER SCAPE(フラッタースケープ)」である。上智大学を卒業したばかりの若者によるウェブサイトで、まさに、ジャパンクールを世界に売り出そうというEC(電子商取引)サイトである。

 ECサイトというと、日本では楽天かアマゾンかというところであるが、昨今のニュースでようやく楽天が海外進出を本格化ということで話題になっている。それに対して、このFLUTTER SCAPEは最初から海外の人々に向けてECを手掛けているサイトだ。日本人が始めたが、ご覧になれば分かる通り、ウェブサイトは当然ながら英語である。

 このウェブサイトの面白い点は何か。それは、「Japan Coolとは何か」という、根幹の部分を思いっきり人間に頼っている点だ。

 みなさん、想像してほしい。今度アメリカ人の友人にお土産をあげる、フランス人の友人に何か日本的なものをあげる。さて、何を選ぶだろうか。ついつい買いそびれて、買おうと思い立ったのが、成田空港だったということもあるだろう。そうした場合、たいていの日本人が選ぶのが次の2つだ。寿司のネタが数十個も並んだ湯呑みか、浮世絵が描かれた扇子である。

 さて、ここで質問である。そんなものを日本人にお土産としてあげるだろうか。おそらく10人いたら少なく見積もっても9人は「ノー」というのではないか。確かに浮世絵や寿司は外国の方は好きだが、こうしたお土産が喜ばれるというのは、半ば迷信めいたところもある。

 このFLUTTER SCAPEは、そのジャパンクールをどうやって目利きするか、ということを、「外国の人々」にお願いしているのだ。つまり仕組みはこうだ。

 FLUTTER SCAPEに並んでいる画像は、それぞれの国の人たちが、“Japan Cool”と思った商品群なのである。ドイツ人が思う“Japan Cool”は、ドイツ人に聞けばいい。台湾人が思う“Japan Cool”は当然ながら、台湾人に聞けばいい。日本にいる外国の方や、友人づてで日本好きな外国の方々にまずは手始めに協力してもらい、コンテンツを充実させていっている。コンテンツの充実期は、いわばジャパンクールコンテストのような状態と言える。

 こうして並べられたジャパンクールな商品群を、今度はいろんな国籍(日本人も含む)の人たちが見始める。そうすると国籍を跨いでお互いのジャパンクールセンスを刺激し合い、さらなる面白いジャパンクールの発掘につながっていく。

 日本人の学生が始めたウェブサイト。売り出すものは、外国の方々にピックアップさせた「日本のカッコよさ」、売る相手も外国の人々。なんともわくわくするウェブサイトである。

消費者の力をビジネスに活かす

 CGM(Consumer Generated Media=コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)という言葉をご存じの方は多いと思う。主にウェブサイトの書かれた口コミやレーティング情報などを指す言葉だ。今ご紹介したFLUTTER SCAPEは、もはや消費者の方がメディア的な要素を作り出しているに留まらないと思う。もっとビジネスの根幹にまで関わっている。そこで、私はFLUTTER SCAPEのように、思いっきり消費者の方々の力を活用しているビジネスのことを、こう総称することにした。

 BPC(Business Powered by Consumer)

 新しい言葉をご紹介したところで、次の事例について話をしたい。「マイクロ・ボランティア」と呼ばれているものだ。このビジネスも、まさにほとんどすべてを消費者の「小さな」努力に頼っているBPCそのものである。

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