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大学教授が目指す「電気自動車のインテル」

EVベンチャー、シムドライブの「インホイールモーター」

  • 瀧本 大輔

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2010年10月15日(金)

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 自動車、医療、環境技術──。次世代の日本経済を牽引すると期待されている分野で、次々に産業の構造転換が起きようとしている。そこでは大企業ばかりだったプレーヤーの顔ぶれは変わり、ベンチャー企業が存在感を放つ。

 日経ビジネス10月4日号の特集「モノ作りベンチャー復権」では、今まさに始まった新しい“産業革命”の動きをリポートした。日経ビジネスオンラインの連載第3回は、電気自動車(EV)の独自技術で注目されるベンチャー企業、シムドライブを紹介する。

 未来の自動車のデファクトスタンダードの1つになり得る技術が、実は日本にある。慶応義塾大学環境情報学部の清水浩教授が開発した「インホイールモーター」と呼ばれる電気自動車(EV)の技術だ。

 この技術は従来の自動車やEVの常識とは一線を画する。まず、その名の通りにモーターがタイヤの内側にあり、磁力でタイヤをじかに回転させる。分かりやすく言えば、タイヤそのものがモーターになって回転するようなイメージだ。

インホイールモーターを採用した電気自動車「エリーカ」(写真:木村輝)

 従来の自動車の構造は、エンジンやモーターの動力を車軸や歯車を介してタイヤに伝えるのが常識だった。この基本構造は、古くから基本的には変わっていない。車軸や歯車を介することで、途中でエネルギーの損失が生じてしまう弱点がある。

開発に30年かけたEV技術を実用化

 それがインホイールモーターの場合、モーターがタイヤをじかに駆動するのでエネルギー損失が少ない。しかも、介在する動力伝達機構が不要な分だけ、電池やインバーターなどの収容スペース、そして居住空間の広さを稼げる利点がある。

 この技術を清水教授は約30年かけて開発した。似たような駆動方式を採用したハイブリッド車を、独ポルシェの創業者として知られるフェルディナント・ポルシェ博士が1900年のパリ万博に出展していたが、実用化は世界初と言っていい。

 長年の技術の蓄積と試作のノウハウを持つだけに、清水教授は「EVの時代は確実に来るし、現時点で我々の技術が最先端だと考えている」と、技術優位性に自信を見せる。

 代表作が、2004年に試作したEV「エリーカ」だ。8輪駆動のタイヤの内側それぞれにモーターを配置するという型破りな構造を採用し、サーキットで最高時速370kmを達成した。

 虎の子のインホイールモーター技術を広める点で、昨今のエコカーブームは清水教授にとってチャンス到来と言っていい。2009年8月、清水教授の技術に惚れ込んだ福武總一郎・ベネッセホールディングス会長らの支援を受けて立ち上げたのが、EVベンチャーのシムドライブ(川崎市幸区)である。

 シムドライブ自身はEVメーカーではない。EVを開発するためのインホイールモーター技術や車体(プラットフォーム)を、有償で企業に供与する。メーカーはシムドライブの技術やノウハウを3億円で購入し、量産後は製品価格の1%程度を一定期間、ライセンス料として支払う。つまり、自動車メーカーでなくてもEVを作れる、オープンな仕組みを構築したのだ。

コメント3件コメント/レビュー

大量生産で利益が出始めたら、そこには日本企業はいなかったという過去の歴史が再現しない事を望みたい。(2010/10/15)

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いただいたコメント

大量生産で利益が出始めたら、そこには日本企業はいなかったという過去の歴史が再現しない事を望みたい。(2010/10/15)

清水氏ご自身の著書を拝見したとき、氏の開発歴自体が非常に面白く、ぜひ、このアイデアも大きく育ち、立派な実を結んでほしいとつくづく思いました。相当の高速も実現済みのようですが、日常使用に適した居住性や快適性が確保できるかが鍵だと言われれば、そうかも知れないとは思います。皆さんの健闘を祈ります。(2010/10/15)

今更インホイールモーターを持ち上げている記事ですが、既に中国に1億台以上ある電動2輪は全てインホイールモーター車なので、新機軸でも何でもないと思いますが。(2010/10/15)

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