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環境プロジェクトのスピードを獲得せよ

加速度をもたらすのは経営力

  • 宮田 秀明

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2010年10月22日(金)

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 すべてのビジネスにとって、スピードが大切だ。

 今、特にスピードが求められるのは、環境ビジネスだ。

 米国では、環境ビジネスを加速する仕組みが、あちらこちらで活発に機能しているようだ。中でも目を引くのは国立研究所の動きだ。彼らは、国家産業戦略のリーダーシップを取ろうとしている。国立研究所がシンクタンク的な役割を担って、新しい環境ビジネスの開発プラットフォームになったり、環境ビジネスの将来性をきわめて速いスピードで予測している。

カギを握る米国の国立研究所

 今年に入ってからは、ある国立研究所が二次電池の再利用プロジェクトを募集し始めた。二次電池の定置利用、つまり、電気エネルギーを貯蔵するビジネスの市場規模と利益予想を示して、民間ビジネスの参入を促そうとする動きが加速している。実際、国立研究所のレポートをガイドにして、さまざまな民間プレーヤーが、新しいビジネスを始動している。米国内の民間環境プロジェクトは急速に具体化しそうだ。

 米国の国立研究所と日本の国立研究所とでは月とスッポンぐらいの違いがある。日本の国立研究所は、論文志向の個人プレー型の活動が大学以上に多い。費用対効果は極端に低いと言っていいだろう。

 1年前ぐらいから始められたと想像される米国の二次電池ビジネスや二次電池の定置利用ビジネスの調査活動には、私たちが取り組んだ「二次電池による社会システムイノベーション」の活動が、少なからず影響を与えているだろう。リチウムイオン電池の再利用や定置利用が社会を変えるというコンセプトを提出したのは、私たちが世界初だと思う。東大をプラットフォームにして、このパラダイムシフトによる技術革新のための研究開発と普及活動を開始して、もう二年以上が経過した。キーパーソンは、私の研究室の卒業生H君。彼は、20年間、リチウムイオン電池の開発に取り組んだ。彼が語るリチウムイオン電池の性能と可能性を信じて、私たちはこの取り組みに着手した。

 この活動の成果は、日本語でしか紹介していないが、米国の研究所の人はほとんどこの内容を見ていると思う。翻訳は簡単な作業だ。かつて船舶関係の研究者だった私は、米国から私の研究の真似のような論文が次々と出てくるので驚いたことがある。しかも、私の論文は参考文献に入っていないのだ。日本語で書いた論文は、国際社会では表向きには無視される。だが、一方では、そのうちの主要論文は翻訳して参考にしているのだ。これは、常套手段と言っていい。

戦略不在に悩む日本

 米国の環境ビジネスはスピードをさらに速めるだろう。中国や韓国やEU諸国もそうだろう。要素技術の進歩と低価格化がドライブフォースになる。太陽電池の低価格化は、急速に進行中である。リチウムイオン電池は小型のパソコンや携帯電話に使われているものが既に23円/ワット時にまで低下している。より大型の車載型電池は大量生産が始まったところだが、私の予想では、2015年に30円/ワット時にまで価格低下する。もし太陽電池が30万円/キロワットでリチウムイオン電池が3万円/キロワット時になったら、補助金やフィードインタリフのような制度なしで、さまざまな電気エネルギー貯蔵ビジネスが成立するようになるだろう。

 4~5年後の環境ビジネスは激しい国際競争の時代に突入し、2020年には何10兆円もの市場規模になっているのではないだろうか。

 国も企業も、環境プロジェクトや環境ビジネスへの取り組みのスピードを上げるべきだ。例えば、資源エネルギー庁(NEDO)のスマートコミュニティー事業だ。中にはなかなか面白い研究開発もあるし、私たちのグループが直接関与しているプロジェクトもある。今年度は「蓄電複合システム」が中心テーマになっている。これは私たちのコンセプトの普及活動の成果と言っていいかもしれない。

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