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サン・テクジュペリが示唆した自然・人間・技術の関係

技術は、自然と人間のWIN-WIN関係をつくるもの

  • 宮田 秀明

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2010年10月29日(金)

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 全国の高速道路にサービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)は合計500弱、道の駅は1000弱ある。だから、日本全国に電気自動車用の急速充電機を5000台設置するとすれば、SA/PAと道の駅1500カ所に各3台置けば、ほぼ目標数に達することになる。

 環境の仕事をしているからではないのだが、SA/PAや道の駅を訪れることが多い。2日しかなかった夏休みの一日は、レガシーで美ヶ原まで行った。中央道の上りの渋滞は最悪なので、関越道を使ったら往復550kmの行程になった。好天に恵まれたのだが、夜7時を過ぎて激しい夕立になった。関越道も上りの渋滞が発生していたので、急遽、寄居パーキングエリアで休むことにした。

 道の駅はもともと、温泉があったり新鮮野菜売り場があったり、それぞれ個性的だ。しかしSA/PAは、それに比べれば画一的なところがあった。ところが最近は、それぞれ工夫を凝らして、特徴のあるサービスを競うようになってきている。

 寄居パーキングエリアには、フランス料理のレストランと、「星の王子様」のキャラクターグッズ店があった。レストランは閉店間近なのに、まだ店外に待っている人がいるほどの盛況のようだった。そこで、「星の王子様」ショップで時間をつぶし、ティーカップを1つ買った。

サン・テクジュペリに教えられた工学の使命

 私は作者サン・テクジュペリのファンなのである。彼の代表作は「夜間飛行」「南方郵便機」「人間の土地」だと思う。中高生の時代、私はけっこう文学少年だったので、たくさんの本を読んだ。しかし、彼の「南方郵便機」は、タイトルに惹かれて読んでみたものの、何の感動も覚えなかった。理解できなかったのだ。ところが大学生になって工学の道を選んだころ改めて彼の本を手にして、大きくて大切なものをつかんだ気がした。

 「そうだ、私が目指していたのはこの世界だったのだ。」

 工学とは、自然と人間を科学と技術で結ぶ仕事なのだ、ということを悟った瞬間だった。

 彼の著作の中には、様々な事故の話が出てくる。例えば、まだ性能が悪くて危険性の高かった飛行機に乗って郵便物を運ぶパイロット。彼は何度も何度も、自然の怖さを経験させられるのだ。あるとき、フランスのツールーズを離陸して、アフリカに郵便物を輸送中、砂漠に不時着して死にそうになる。飛行士の語る自然と人間のかかわり方は、技術者に原点を教えてくれているような気がした。

船の開発には現場経験が欠かせない

 40歳になって、新しい船の開発や設計を仕事の中心にしてからは、ますますサン・テクジュペリの世界に近づいていった。水中翼船という難しい船を開発したときは、3年間、尾道に通って実証実験を行った。開発と実証のため、実際の海での実験が欠かせなかった。長さ12m、重さ8.6トンの実験船「エクセラー」は、私の息子のようなものだった。

 乗客に安全で快適な航海を提供する技術を作り出す過程で、たくさんの失敗や様々な危険を「エクセラー」とともに体験した。いちばん怖かったのは、海という自然だった。船にとって転覆とか失速といった事故は、自然がつくる波の仕業であることが多い。

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