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トヨタが環境技術で「敵に塩を送る」のはなぜ

内山田副社長「世の中に役立たないと、持続的に成長できない」

2010年11月2日(火)

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 ハイブリッド車の「プリウス」が好調で、エコカー市場で独走するトヨタ自動車。しかし販売台数で世界一になって以降、グローバルで厳しい目線にさらされるようになっている。

 豊田章男社長が掲げる「持続的成長」を目指すトヨタの戦略とはどのようなものなのか。研究開発のトップである内山田竹志副社長が戦略を語った。

(聞き手は金田信一郎、山崎良兵、北爪匡=日経ビジネス)

―― エコカー市場は乱戦模様です。トヨタ自動車の「プリウス」を筆頭にハイブリッド車の普及は進んでいます。しかし三菱自動車や日産自動車のEV(電気自動車)が注目を集めている。さらにガソリン車の低燃費化も進む。トヨタは環境車戦略をどのように描いているのでしょうか。

内山田 竹志(うちやまだ・たけし)氏
1946年愛知県生まれ。69年名古屋大学工学部卒業後、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)に入社。92年第2開発センターのチーフエンジニア。97年にトヨタが発売したハイブリッド車の初代「プリウス」の開発に携わる。98年取締役。2001年常務、2003年専務、2005年副社長に就任(写真:高木茂樹、以下同)

 内山田 自動車産業を取り巻く環境は劇的に変化しています。石油供給は、新興国の急成長で拡大する需要を満たすのが難しくなっている。そのギャップをどのような代替エネルギーで埋めるのかが焦点です。エタノール、天然ガス、バイオ燃料など様々な選択肢があります。

 変化に対応するには、「パワートレイン」(駆動システム)を多様化せざるを得ない。トヨタは全方位でやるつもりです。どれか1つに絞ることはしない。他社とのアライアンスも活用していきます。

 ガソリン車やディーゼル車など内燃機関の進化。ハイブリッド車、EV、燃料電池車などが多様なアプローチがあります。電気の利用という意味ではEVに注目が集まっています。トヨタも米EVベンチャーのテスラ・モーターズと提携し、EVにも力を入れています。ただバッテリーのコストやエネルギー密度など課題も少なくありません。

 そこでトヨタはハイブリッド車を本命視しています。電池、モーター、インバーター、内燃機関の要素技術が必要で、多様化するパワートレインに対応しやすい。

 とりわけ現実的で実効性のある解として、プラグインハイブリッド車に力を入れています。EVとして一定の距離を走行できますが、ガソリンエンジンも搭載しているので、電池切れの心配がないからです。

―― トヨタはハイブリッド車の技術を他社に供与しています。マツダが代表例ですが、独ダイムラーと交渉しているとの報道もあります。

 トヨタは環境技術を独占するつもりはありません。要望があればケースバイケースで対応します。

 提携先には、当社のハイブリッド車のシステムをそのまま使ってもらう形が基本です。多くの場合は、先方のエンジンを使います。従ってエンジンとモーターの合わせ面を対応させる必要があります。

社会に役立つ会社でなければ持続できない

―― なぜトヨタはハイブリッド技術を他社に供与するのでしょうか。独占した方がライバルを圧倒できる。気前がいいように感じます。

 古くさく聞こえるかもしれませんが、トヨタにはグループの創業者である豊田佐吉氏の遺訓をまとめた「豊田綱領」という経営の指針があります。そこでは「産業報国」という言葉を掲げている。国というよりも「広く世の中の人々に役立つ会社」でないといけないという考え方です。

 環境技術はそういうものです。ハイブリッド技術はトヨタの強みですが、他社が望むなら使ってもらう。そうすることで、21世紀の資源・環境の問題が少しでも緩和されればいい。

 「敵に塩を送るようなものだ」とも言われます。販売現場にはトヨタならではの差別化技術をライバルに与えることには反発があるのは否定しません。でもトヨタはそれをバネにしてもっと先にいかないといけない。

―― 販売台数が世界一になり、トヨタに対する反発も強まっているような印象があります。「一人勝ち」になってはいけないという意識も社内にはあるのでしょうか。

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「トヨタが環境技術で「敵に塩を送る」のはなぜ」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス記者

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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