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科学的・論理的思考で最高効率の「スマートコミュニティー」をつくれ

「スマートハウス」は規模の拡大が必要

  • 宮田 秀明

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2010年11月19日(金)

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 新しい産業振興またはイノベーションの方向の一つとして、スマート社会システムづくりの気運が高まってきた。21世紀はシステムの時代だ。新しいシステムを創造しなければならない。しかし、このような新しいシステムをイノベーションするプランは、まるで漫画のような未来図と文言だけで語られることが多い。スマートグリッドの場合がそうだ。

 数字と論理がなければ未来設計図を描くことはできないはずなのに。

 私たちの「二次電池による社会システムイノベーション」の活動はリチウムイオン電池という要素技術のイノベーションを社会システムのイノベーションに賢く組み込むことが目的である。このときシステム工学とシミュレーション技術が欠かせない。科学的論理性は創造のためにいちばん大切なことだ。

 いろいろな環境エネルギーシステムのうち最も小規模のものがスマートハウスである。太陽電池を使って自家発電し、一部の電気エネルギーを地産地消的に自分の家で消費する。残りの電気は電力会社に売る。一般家庭にリチウムイオン電池を置いて、もっと賢く充放電などの電力経営をしたり、交流システムのほかに直流システムを導入してパラレルに使うアイデアはこれからの研究開発のテーマだ。

A先生の協力を得て、スマートハウスの実験に取り組む

 私たちは4年生のS君の研究としてスマートハウスを取り上げてみた。2年前にも、やはり4年生のW君の家庭の電力消費をモニタリングして二次電池を使うことによって昼夜電力料金差をうまく利用する研究を行った。今度はW君の家のデータではなく、仲間の教員A氏の家のデータを提供していただいて、詳細なシミュレーションを行うことにした。A氏宅には太陽電池が設置されていたからだ。

 毎日毎日、1年間の電力消費データを見ているとA先生の生活が想像できてしまったり、プライバシーを侵害しそうだが、そうでもない。親しいA先生だが、ヨットが趣味という以外、家族構成を含めて個人情報は何も知らない。電力使用量が多いことから分かったのはオール電化にしていることぐらいだった。

 3年前のA先生の電力消費データを頂いて研究に使った。A先生は、3.2キロワットの太陽電池を10年前から自宅の屋根に備え付けている。その発電データも頂くことができた。

 A先生のお陰でスマートハウスの経済合理性が評価できるようになったのだ。

 一戸一戸の家に導入されている太陽電池が発電した電気を蓄電して、送電網に電気を流す逆潮流を最小限にする。天候次第の気まぐれな発電と、日々に変化するそれ以上に気まぐれな電力消費の間をリチウムイオン電池が取り持つ。こうすることで、スマートハウスつまり1世帯ごとの環境対応社会が実現でき、家庭という最も小さな社会の単位で地産地消型に近づいていき、これが積み重なって持続可能な地球をつくることができると思った。

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