これは何のランキング?
| 利用者上位10カ国 | ||
|---|---|---|
| 順位 | 国名 | ある値 |
| 1 | 米国 | 145,331,600 |
| 2 | インドネシア | 31,425,840 |
| 3 | 英国 | 28,770,560 |
| 4 | トルコ | 23,823,200 |
| 5 | フランス | 20,307,260 |
| 6 | フィリピン | 18,768,040 |
| 7 | メキシコ | 17,821,820 |
| 8 | イタリア | 17,615,900 |
| 9 | カナダ | 17,414,640 |
| 10 | インド | 16,509,680 |
次に並ぶ数字が何か、すぐに分かる人はいるだろうか。
1番は米国。となると、経済規模か。いや、経済規模であれば、2番目にインドネシアが並ぶことはない。3番目は英国で、4番目はトルコ、5番目がフランス、6番目がフィリピンと先進国と新興国が交互に並ぶ。そして、日本が上位10位に入っていない点も特徴的だ。
世界に押し寄せる「IT津波」
これは、「IT(情報技術)津波」に飲み込まれた人々の数である。米国発のあるウェブサービスの利用者数だ。
日本人の99%はこの答えを想像できないし、理解も難しい(正直な話、著者も本稿向けにデータを探していて初めて知った)。
答えは、「Facebook(フェイスブック)」の登録者数上位10カ国である。FacebookというIT津波は、新興国でも猛威を奮っているのである。なお、出所は「CheckFacebook.com」で、Facebookの公表数字ではないが、Facebookの広告オーナー向けデータがベースと言われる。このウェブサイトにアクセスすると、世界各国におけるFacebookの浸透率を緑色の濃さで表現している。北米と西欧のみならず、南米やアジア、アフリカの一部の国で濃い色をしていることが分かる。
Facebookと言えば、米国発のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)である。ということは、このサービスは国境を超えて、ブランド認知が進み、利用者が増え、国を跨って友が友を呼ぶという面白さが伝搬していったのである。
しかも、上位10カ国には、1人当たりGDP(国内総生産)の大きな国ばかりが並んでいるわけではない。
何が起こっているのか。そもそも、1人当たりGDPが1万ドルを下回るような国で、Facebookを利用することなどできるのだろうか。
著者が以前に執筆した「はるかインドの農村で突撃! 隣の晩御飯?」では、インド農村へ家庭訪問調査を行い、晩御飯をごちそうになるなど宿泊した体験記を著した。驚くことに、農村の多くの世帯でテレビを保有したうえ、有料多チャンネル放送を契約し、20チャンネルもの番組を楽しんでいる。彼らの購買力の豊かさを侮ってはならない。
本稿ではいかにオンラインサービスが国境を超え、新興国に押し寄せているか、そして、新興国発のサービスが先進国へ輸出され、世界で普及する可能性について論じてみたい。
新興国に存在する“最新のITテクノロジー”
我々は、新興国の経済状況について、1人当たりGDPで比較することが多い。そして、考える。パソコンなど購入できるわけがない、どうせネットワークインフラも脆弱、オンラインサービスを楽しめるような環境にない、と。
しかし現実には、1人当たりGDPがいかに小さくとも、我々の想像をはるかに超えるFacebookの利用者が存在する。想像(新興国ではオンラインサービスを楽しめない)と現実(Facebookユーザーが多く存在する)のギャップは何だろうか。
比較を国単位で行っていたことから、セグメンテーションが粗過ぎたのかもしれない。1人当たりGDPは、あくまで平均値のため、特に人口の多い国は要注意である。実際、2.3億人の人口を抱えるインドネシアを見ると、2009年の1人当たりGDPは2300米ドル程度であるが、1000万人都市のジャカルタに限れば、1人当たりGDPは8700米ドルと、3.7倍もの違いが存在する。同様に、インドの都市/国の比較を示すが、やはり1.8倍弱の違いがある。
インドネシアやインドにおける国/都市平均の相違
| インドネシア | インド | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 全国 | ジャカルタ | 都市/国 | 全国 | ムンバイ | 都市/国 | |
| 人口(100万人) | 232 | 9 | 4% | 1199 | 22 | 2% |
| GDP(10億ドル) | 539 | 80 | 15% | 1237 | 40 | 3% |
| 1人当たりGDP(米ドル) | 2329 | 8706 | 374% | 1032 | 1831 | 177% |
出所:IMF、各国統計局データより野村総合研究所作成
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野村総合研究所情報・通信コンサルティング部副主任コンサルタント。電機、情報・通信産業全般を事業領域とし、その中で主に携帯電話市場、情報サービス市場における事業戦略コンサルテーション、組織改革、営業改革、マーケティング戦略、アライアンス支援に従事。アジア他新興国のグローバル動向調査、グローバル展開支援、最近ではBOPビジネスに注力している。主な共著書に、『

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