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次世代人材は、待っていても現れない

複雑化する問題の対応に「第二の脳」は必須条件

  • 小林 慎和

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2010年12月16日(木)

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 世界で最も成功し、かつ有名なCEO(最高経営責任者)の1人として、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチがいる。GEは米コネチカット州フェアフィールドに本社を置くグローバルカンパニーである。2009年度時点で全世界の従業員数が約30万人、売上高が1567億ドル(約13.3兆円)、純利益率が7%、株式時価総額は2010年に入り1800億ドル(約15兆円)近辺を維持している(ちなみに金融恐慌の前は、40兆円を越えていた)。GEは世界で最も成功している1社と言える。そのGEにおいて、1981年から2001年の長きにわたり、CEOを勤めたのがジャック・ウェルチである。

 GEという会社は何をする会社なのか。GEという会社はどこに向かおうとしているのか。GEという会社が求める人材とはどのようなものなのか。GEという会社が求める経営とはどのようなものなのか。

 会社に働いている社会人であれば、極めて根源的な問いだと思うだろう。しかし、この根源的な問いに対して30万人を超える人間が共通認識を持つことは極めて困難なことである。

年に3000人と会って語りかける

 ジャック・ウェルチはこう公言している。「会社の資産は人である」と。そして、人材を育成することほど、複雑で時間のかかるものはない。先の根源的な問いかけの共通認識を持つために、ジャック・ウェルチが取っている行動は極めて原始的である。それは、人と会って話をすることだ。

 しかし、それが半端な量ではない。ジャック・ウェルチは、年間延べ3000人の社員と研修という形で会う。その研修は数時間にもわたって、数十人の幹部候補生とジャック・ウェルチの対話形式で行われる。GEの人事階層構造は図のようになっている。

画像のクリックで拡大表示

 この研修はExecutive bandとSenior professionalを対象としたものである。合計すると約3万人だ。ジャック・ウェルチがこれだけ精力的に毎年3000人に向けて研修を行ったとしても、この役職者全員と1回研修の場で会うためには10年という年月を要する。終わりのない旅のように感じる活動だ。それでも、ジャック・ウェルチは来る日も来る日も熱く語りかける。

 ビジネスに正解はない。経営に定石はない。経営とは、不測の事態が起ころうと意思決定を下すことである。経営とは、不十分な情報しか手元にない場合でも意思決定を下すことである。Multi causalityという言葉がある。訳すならば、「複数因果関係」とでもなるだろうか。

 ビジネスは複雑な要素が絡み合う。様々な出来事がインプットとして発生する。それをその時と場合において、判断して経営の舵取りをしていく必要がある。同じシチュエーションは2度と起こらない。2度は発生しない様々な状況に対して、最善の判断を下せるような人材をより多く育成する必要がある。

 そのための最善の道としてジャック・ウェルチが選んだのが、この1年の間に3000人と熱く語りかけるという手段である。ジャック・ウェルチがこれまでに体験したことを披露する。それぞれで下した判断を伝える。その背景で何を考え、何を悩み、何を実行し、何を実行しなかったのか。今ならばどうするのか。研修の参加者へ向かって、あなたならどうするか。何時間にもわたって、ただただ熱く語りかける。

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